Falhawk Campet Family

カヌーといえば木製のカナディアンカヌーのイメージで、独身寮暮らしのサラリーマンに買えるもんぢゃ無いと思ってた。カヌーを買いたいと思ったのは、吉祥寺のアウトドアショップでフォールディングカヌーの存在を知ってから。ゴムボートは釣りで何度も使ってたけど、カヤックは乗ったこと無かったのでどのくらいスピードが出るのか凄く興味があった。

初めててに入れたカヤックが国産ファルトボート、ファルフォーク社製キャンペットファミリー。1998年に吉祥寺のアウトドアショップで新品を購入。進水式は実家近くのホームレイク、府中ダム。大人二人が乗れる大型のボディは安定感も抜群で、バスフィッシングにももってこい。府中ダムで53cmを釣った時もこのカヤックだった。

メーカ: ファルフォーク
モデル: キャンペットファミリー
外形寸法: 全長4350mm×幅800mm×高350mm
本体重量: 16kg
定員: 2名

Falhawk Campet Family

このカヤックがしっかりと良く出来ていて、とても作りがいい。アルミのフレームを組み立てて、その上にセイルスキンを被せる構造。舟艇の左右にエアチューブが装備されてて、空気で膨らませておくと横転しても沈まない。このエアチューブの空気がゆっくりと抜ける不具合があったけど、初期不良ということで無料で修理してもらった。それからは空気のもれも無くなり、不具合らしきものはでていない。

組み立て方法を説明したVTRが同梱されてて、初めてでも簡単に組み立てられる。ただVHSなので、今見たくてもデッキが無いけど。このアルミフレームの描く曲線が美しくて、思わず見惚れてしまう。組み立て自体は簡単で、十分な作業スペースがあれば15分もあれば完成する。それよりも15kgの重量はずっしりと重く、組み立てる手間よりもトランクから出して湖畔まで運ぶ事の方がよっぽど疲れる。確かオプションで背負えるリュック式のバッグがあったと思うけど、標準装備の肩掛け式収納バッグは可搬性最悪。
ファルフォーク キャンペットファミリー

組み立てが難しいとか時間が掛かるという書き込みを時折見かけるけど、多分フレームを組み立てるのにてこずっているんだと思う。フレームの組み立てはアルミポールに張られた番号シールを合わせながら繋ぐだけなんだけど、ポールの向きが逆になると両端のジョイントがうまく繋がらない。向きを気にしながら正しく数字を合わせる事が重要。下段のポール2本には長さをアジャストできる機構が付いてて、ポールを正しく組むと船の前方側にそのアジャスターがくる。そこを最後に接続するとフレームは完成。正しく組めば5分もかからない。

購入から14年も経つと、劣化が気になるところ。Zealのフロータは接着剤の劣化で、一気に空気漏れや接着部の剥がれが起こったし。セイルスキンの劣化が気になったんだけど、今のところ特に問題は見られない。セイルスキンをよく見ると布と布の接合部分に接着剤は使ってなくて、熱による溶着構造になっている。これがロングライフの秘訣だと思う。フレームにも問題は全く認められない。
初カヤックの息子

標準で4ピース構造のパドルが2セット装備されている。スプリングピンで固定するタイプなんだけど、接合部のガタが大きくていかにも安物って感じ。4ピースなのでコンパクトに収納できるんだけど、重量はかなり重い。そのうちいいパドルに買い換えようと思いつつ、早14年が経過。

カヤックは速い、二人で漕ぐとチョー速い。水を切るようにスイスイと進む。ゴムボートやフロータと違って風にも比較的強く、大きなダムでも移動が可能。一人でも速い。一人だと軽くなるのでスピードのノリが良くなる。ただ一人のときは真ん中に座らないとすぐに船の向きが変わってしまい、まっすぐ走らない。息子をフロントに乗せるとバランスが悪くて直進性が失われるけど、可愛いから元気が出る(笑)。 ...船の中で昼寝をする息子↓、もうすぐ5歳。
波にゆられてお昼寝

カヤックは視線の低さがいいんだよね。大自然に包まれるような感覚、これはカヌーならでは。視線の低さはフロータと変わらないと思う。

ファルフォークは親会社(帝人)の事業撤退とともに解散。アウトドアメーカのモンベルがそのカヌー事業を引継ぎ、アルフェックブランドとして復活させたらしい。旧ファルフォークブランドのモデルもアルフェックでメンテを受け付けてくれるというから、もうしばらくは使えそう。