D80は2006年発売のニコン製ディジタル一眼レフカメラ。ニコンの製品群の中では中級機種の位置づけにあり、D80の発売当時は上位機種にD200、下位機種にD50がラインナップされていた。このモデルは上位モデルD200から継承した明るく見やすい光学ファインダーと撮像素子がウリで、コストパフォーマンスの高い意欲的モデルだった。

1999年発売のNikon D1に心を躍らせディジタル一眼レフを買いたいと思いつつも、高い価格とDXフォーマットという仕様を受け入れることが出来なかった。仕事でしばらく続いていた海外出張が一段落した2006年の夏、そろそろ買い時かとD70sやD200の購入を本気で検討していたところにD200の流れを汲むD80の発表。D80の発売から2ヶ月後に18-70mmレンズキットを購入し、念願のディジタル一眼レフライフがスタート(^^)


このカメラ、D200と比べると全体的にプラスチッキーでおもちゃっぽい。このカメラをメイン機種として使っている間は全く気にならなかったけど、D700を買ってから急に作りがちゃちく感じるようになった。まぁ値段なりといったところかもしれないけど、正直言って外観の仕上がりは下位モデルレベル。

ニコンD200と同等のガラスペンタプリズムを採用た光学ファインダーなんだけど、特別見やすいと感じたことは無かった。D80のファインダーもF4のそれに比べると暗くて小さくてピントもつかみづらかったし。だけど量販店で他社製のディジタル一眼レフのファインダーを覗いて唖然。ファインダーは凄く暗くて小さくて、構図を確認するのが精一杯。ピントをつかむには視力4.0は必須な感じ。後に知ったんだけど、購入を考えてた前モデルのD70sはコストダウンのためにガラスペンタプリズムを採用していなかったというから、D200と同じ光学系を採用したD80はニコンが相当力を入れて開発したモデルだったことがうかがわれる。


現在の感覚では連写3コマ/秒という仕様はかなり見劣りする。当時も3コマ/秒はお世辞にも速いとは言えず、この速度で連写って言っていいのかと感じるスピードだった。だけど俺は連写は使わない派なので、フィルムカメラの頃から連写速度を気にしたことは無いんだけど。

センサ(ローパスフィルタ)に付着するゴミの除去機能は付いてなくて、時々ゴミが写真に写りこむ。ゴミに気づくのはいつも明るい青空などを絞って撮った時なので、普段はゴミに気づかずに撮ってたというケースが多い。ミラーアップしてパフパフするとゴミの写り込みは消えるんだけど、ゴミ取り機能の付いたD700ではゴミの写り込みをほとんど経験していないから効果はあるんだと思う。当時ゴミ取り機能が付いていないことに不満を感じたことは無かったけど、あるに越したことはないと思う。


10.2万画素CCDから出力されるjpeg画像はこってりとして派手目。いい意味でディジタル写真っぽくて、個人的には嫌いじゃなかった。CMOSとは一味違う空の青や初夏の新緑は特にお気に入り。露出は若干オーバー気味だと感じてたので、-2/3段くらいの露出補正を掛けることが多かった。

ノイズに寛容な俺は不満なくISO1600を常用してたけど、高感度ノイズは決して褒められるレベルではなかった。ただフィルムカメラ時代を知る自分としてはISO 1600が常用できることに満足出来たし、ショット毎にISO感度を任意に変更できることがたまらなく便利に感じられたんだよね。

F4とのツーショット。ボディサイズはF一桁ボディと比べると驚くほどコンパクトで軽量。持ち運びも苦にならないサイズ。


D80は手持ちのジーコジーコレンズが使えるのがいい。D80が発表された当時はまだDXフォーマットのレンズラインナップが貧弱だったこともあり、手持ちのレンズ資産が使えるのはとても心強かった。実際は焦点距離が1.5倍になるので使いづらいレンズも多いんだけど、フィルムカメラ換算42mm相当となる28mm/f2.8は標準レンズ的に使えて重宝した。

あとニコン一眼レフには手持ちの古いレンズを使う楽しみがある。マニュアルフォーカスのニッコールレンズも使えるし、ボディにAF駆動用モータを内蔵しているのでジーコジーコレンズも使える。ただD80のボディ内臓のサーボモータはD一桁機に比べるとトルク不足の感が否めず、合焦速度はF4に劣る。合焦精度はD80のほうが高いけどね(^^;

<主要スペック>
撮像素子: 23.6x15.8mmサイズ、原色CCD、総画素数10.75メガピクセル、ニコンDXフォーマット
シャッター: 電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター
シャッター速度: 1/4000〜30秒（1/3、1/2段ステップ）、bulb、タイム
記録画素数(静止画): [L] 3872x2592ピクセル、[M] 2896x1944ピクセル、[S] 1936x1296ピクセル
画質モード: JPEG-Baseline準拠 FINE（1/4）、NORMAL（1/8）、BASIC（1/16）、12ビットRAW圧縮、RAWとJPEGの同時記録可能
ISO感度: ISO 100〜1600、ISO 1600に対し約1段まで増感可能（1/3段ステップ）
動作モード: １コマ撮影、連続撮影：約3コマ/秒、セルフタイマー撮影：作動時間2、5、10、20秒に設定可能、2秒リモコン撮影、瞬時リモコン撮影
オートフォーカス: TTL位相差検出方式、マルチCAM1000オートフォーカスセンサーモジュールにより検出、 検出範囲：−1〜＋19 EV（ISO 100換算、20℃）
レンズサーボ: オートフォーカス：シングルAFサーボ（AF-S）、コンティニュアスAFサーボ（AF-C）、AF-S/AF-C自動切り換え（AF-A）を選択可能、被写体条件により自動的に予測駆動フォーカスに移行、マニュアルフォーカス可能
フォーカスエリア: 11カ所のフォーカスエリアから１カ所を選択可能、中央のフォーカスエリアをノーマルフレームからワイドフレームに切り換え可能
AFエリアモード: シングルエリアAFモード、ダイナミックAFモード、オートエリアAFモード
測光方式: TTL開放測光方式、マルチパターン測光／中央部重点測光／スポット測光切り換え可能
測光範囲: マルチパターン測光、中央部重点測光：0〜20 EV、スポット測光：2〜20 EV（ISO 100換算、20℃、F1.4レンズ使用時）
撮影モード: デジタルイメージプログラム（シーンモード）7種（オート、 ポートレート、 風景、 クローズアップ、スポーツ、 夜景、 夜景ポートレート）、P-マルチプログラムオート（プログラムシフト可能）、S-シャッター優先オート、A-絞り優先オート、M-マニュアル
露出補正: ±5段の範囲で1/3、1/2段ステップで補正可能
内臓フラッシュ: オート、ポートレート、クローズアップ、夜景ポートレートモード時：オートポップアップ方式による自動発光
P、S、A、Mモード時：押しボタン操作による手動ポップアップ方式、ガイドナンバー：約13（ISO 100・m、20℃）
調光補正: −3〜＋1段の範囲で1/3、1/2段ステップで補正可能
ホワイトバランス: オート（420分割RGBセンサー、撮像素子併用によるホワイトバランス）、マニュアル6種（それぞれ補正が可能）、プリセット可能、色温度設定可能、ホワイトバランスブラケティング可能
記録媒体: SDメモリーカード、SDHC規格対応
撮影モード: プログラムシフトモード/絞り優先モード/マニュアル露光モード、シーンモード(文字/音声)、動画モード
液晶モニター: 広視野角2.5型低温ポリシリコンTFT液晶、約23万ドット、明るさ調整可能
ファインダー: アイレベル式ペンタプリズム使用一眼レフレックス式ファインダー、視度調節機構内蔵（−2.0〜＋1.0m-1）
アイポイント: 19.5mm（−1.0m-1のとき）
ファインダースクリーン: B型クリアマットスクリーンII標準装備（フォーカスフレーム付、構図用格子線表示可能）
ファインダー視野率: 上下左右とも約95%（対実画面）
ファインダー倍率: 約0.94倍（50mm F1.4レンズ使用時・∞・−1.0m-1のとき）
ミラー: クイックリターン式
プレビュー: CPUレンズ装着時に、プレビューボタンによる絞り込み可能、A・Mモードでは設定絞り値まで絞り込み可能、オート、ポートレート、風景、クローズアップ、スポーツ、夜景、夜景ポートレート、P、Sモードでは制御絞り値まで絞り込み可能
外形寸法: 約132 x 103 x 77mm
質量: 約585g（バッテリー本体、SDメモリーカード、ボディーキャップ、液晶モニターカバーを除く）
電源: Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL3e：電圧DC7.4V（クイックチャージャーMH-18a）使用

Nikon D80 + AF-S DX Zoom-Nikkor 18-70mm f/3.5-4.5G IF-ED
プログラムAE, 18mm, ISO 100, 1/320sec, f9, -0.67EV