Cattleya purpurata

 

   自生地

  São Paulo と Rio de Janeiro の州境地帯を北限として、Paraná, Santa Catarina,

Rio Grande do Sul の海岸沿線 1500 km に渡って自生してる。 内陸への侵入は全くみ

られず、汀から 500 〜 800 m までの低湿地帯の巨木の多い亜熱帯降雨林とか、汀から内

陸に丘陵地がなだらかに広がっていても、標高 100 m ぐらいまでの海洋に面した樹林帯で

ある。海洋性気候で降雨が多く、温帯の南部でも降霜はみられない。 樹高 10 〜 20 m

の巨木の樹幹や枝に最も多く着生し、朝夕の海洋からの、あるいは海岸山脈からの風に、

白い根を晒している。 自生地の株は良く育っていて、バルブも肥大し、葉巾も広く、長

い。 草丈 70 cm にもなり、巨木の幹や枝に生々と着生し、数百輪もの花を付けている株

もみられる。時には着生している枝が折れて地面に落ち、傾いても、このランはそのまま着

生していて、華麗な花を咲かせているのを木の茂みの中に見つけることもある。この種もま

た華麗であるがゆえに野性ランとして絶滅への道を辿る宿命なのかもしれない。

  C. purpurata の花の色調には地域的変異がある。 Santa Catarina の中央生息地

帯では、semi-alba が見られる。もっとも、南限へ近づくにつれて色調の変異は多くなる

が。 

  園芸的 forma として知られているものは次の通りだ。

alba,   carnea,   coerulea,   anelata,   oculata,   mandaiana,   russeliana,  vinicolor,  

telha,   delicata,   werkhauserii,   aço,   striata,   flamea,   concolor,   sanguinea.

これらのうち、取り分け貴重な forma は、alba, carnea, werkhauseri, sanguinea だ。

サンパウロ蘭協会発行 「ブラジルの野生らん」より

 

   栽培

   C. purpurataの栽培要件は他の大輪カトレヤ原種と同じだ。 日照と通風を好

み、適温は夜間15〜16 ℃、昼間27〜30 ℃だ。 合衆国では、通常、晩夏から初秋に新

芽が出る。 これらの新芽は1月半ばから2月上旬までに成熟し、しばし休息の後、シ

ースの中に蕾ができ始める。  個体にもよるが、開花は概ね5月下旬〜6月だ。

  花後、給水を最小限に抑えることによって、数週間休息させるが、バルブに皺

が寄り過ぎない程度とする。 再び生長し始めたら、水は充分に与える。とりわ

け、リードが 15 cm 以上に伸びたら。 C. purpurataのバルブはかなり大きくな

り、作が良ければ、株元から葉先まで 50 cm にもなることがある。

A.A. Chadwick

 

   植替え

  関西の大家は「10月に植え替えないと花が咲かない」と言っているとのこと。 関西

の10月、各地の C. purpurata はどんな状況だろうか。 地域によって若干のズレがある

のではなかろうか。 要するに、晩夏から初秋にリードが出て、根が動き始めたときが植替

えのタイミングだということだろう。

 

C. purpurata forma carnea ‘Emy’

 

C. purpurata forma werkhauseri