現状報告 - 2000年7月

 AYUCAが2000年7月に現地で行った活動の報告です。
 地名については活動地域地図を参照してください。
 
ホンジュラスの現状と活動状況(7月)
2000年8月8日  金井優子

■シリン村
 シリンの5軒の家ですが、まだ1軒がトタンを載せられる状態ではないので、他の家ができていてもトタンを運ぶことができません。また、トタンが必要な状態にならなかったので問題にはなりませんでしたが、いまだにトタンが届きません。今日届く予定、といっていたのですが、今日も届きませんでした。
 残りの1軒がなぜなかなか家ができないのかというと、この家は他の家と違って、大変丁寧な基礎作り、柱作りをしているからです。もちろん彼らには、木材を買うお金などないので、すべて山の中に入って自分達で切り倒し、もってくるという形になります。今、この丁寧な家作りに影響をえた一軒の家が再び家作りを始めています。今のところ、この1軒の家作りの速度の遅さに対して、特に他の4軒の家からの苦情はないので、彼らが納得のできるまで家作りをしてくれるほうがいいのではないか、と思っています。

■ベインティシンコ・デ・アブリル村
 ベインティシンコ・デ・アブリルでまだトタンの必要な家があったので、その残りの家の援助をしようと考えていました。しかし、そのことを住民と話し合い始めたときにイギリスのNGO団体から、この村に家の援助の話がきました。約120軒の家の援助だそうです。対象となる家は、土壁、草葺きの家で、それらの家々をブロック、トタン板の家に作りかえるというものです。
 これは、私達の援助よりもずっといいものなので、家作りに関しては、もうここでは援助が必要ないと思われます。しかし、この地域というのは、他にもここと同じような地域があるとは思いますが、彼らが生活していく為の仕事がないのです。
 そこで、彼らと話し合いを持った結果、共同で酪農を、というプロジェクトが生まれました。この村は、以前にも書いたと思いますが、村人全員(子供もすべて)が毎日夕方、日曜日は早朝から教会に行ってミサを聞く、という習慣があり、そのミサの後に彼らは必要なことを全員で話しあっています。この共同酪農のこともみんなで決め、みんなの賛成を得たものです。
 彼らは、この共同酪農が彼ら自身のためになるということをはっきりと自覚しているので、このプロジェクトで働くのも全員という意識があります。彼らは彼ら自身だけでこのプロジェクトをするに当たっての計画書を作りました。少しそこで足りないことは私が書き足し、彼らに再び見てもらい、納得の上でサインをしてもらおうと思っています。
 このプロジェクトに関しては、彼らはすぐ目の前のことだけを見ずに、5年先、10年先のことまで、つまり彼らの子供達の将来までも見て、大きな希望を持っています。つまり、牛を少しづつ、たとえ1頭づつでも増やしていくことによって、その牛から得る恩恵も増える、と言うことです。彼らのこのプロジェクトに関しての大きな希望が強く感じ取れます。また、彼らがこのプロジェクトに関して働いてる姿がとって一生懸命なので、本当にこのプロジェクトは成功させたいと思っています。




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