現状報告 - 2000年3月

 AYUCAが2000年3月に現地で行った活動の報告です。
 地名については活動地域地図を参照してください。
 
ホンジュラスの現状と活動状況(3月)
2000年3月31日  金井優子


■AYUCAの活動状況
1.ブエルタ・グランデでの集会所建設は、ほぼ終わりに近づいています。あとは、床、戸、窓の取り付けを行なうだけとなりました。ただ問題なのは、床に敷くセメントが足りず、彼らには今すぐにセメントを買うお金が用意できないということです。
 しかし、彼らは「少しずつでもお金をみんなで貯めていき、いつの日にか完成をさせたい」と言っています。もうこれ以上は私の出る幕ではないな、と思いました。後は彼らだけに任せて、いつの日にか集会所が完成をする日を待ち望む、といった感じです。
 今の状態でも屋根があるので、ここでみんながミサをしたり集会をしたりしています。

2.ベンティシンコ・デ・アブリル村で、トタン板を配るための調査を終えました。後は彼らが家を再建し、トタン板を屋根に乗せられる状態になったときに、私がトタン板を彼らのもとに運ぶ、という手順になっています。すでに二軒の家でその準備ができていて、今注文したトタンが私のところに届くのを待っているという状態です。またシリンでも、同様の調査を終えました。
 その結果、今後も援助が必要と判断された家の数は以下の表の通りです。

地域 家の軒数 必要なトタン板
ベインティシンコ・デ・アブリル 20軒 360枚
シリン 6軒 96枚

3.フレナカイン、クアクの各村でトタンを配ってから、約1ヶ月が経ちます。それでもクアクでは、トタン板を乗せていないずいぶん家があります。
 クアクでは98年のハリケーン・ミッチで壊滅的な被害がでた後も、昨年末に「カタリーナ」と名づけられた暴風雨によって大きな被害を受け、家屋などの被害のほか、ハリケーン・ミッチの後に作った作物が「カタリーナ」で全滅してしまうという事態になりました。そのため村の住民のほとんどが、再びまた暴風雨の被害に遭うのではないか、という恐怖を持っています。そしてこの村に住み続けることを嫌がり、多くの人が今新しい地域(例えば、近くの村に親や兄弟がいるのなら、彼らのいる村に行って、土地を分けてもらいそこに住む)を探しています。中にはもう、新しい地域(たいていがドス・ボカス、フレナカインといった地域)に住む場所を見つけ、家を建て始めている人もいます。
 AYUCAのこれまでの活動では、被害にあった地域で家を建てる、というのが原則で、そのように住民たちにも伝えてきました。しかし、ミッチ後のクアクの状況を知っている私としては、彼らが他の地域に移りたい、という気持ちがとても分かります。だから、このクアクだけ特別に、他の地域に移ったとしても、大目に見ようと思っています。この先、私たちが提供したトタンを使って作った家が、また、何かの被害でだめになるようなかとがあったら、一体何の為に援助をしたのか分からない、ということです。


■これからの活動
1.ベインティシンコ・デ・アブリル村、シリンでトタンを配る活動を続けます。

2.ベインティシンコ・デ・アブリル村で住民達によるスイカ栽培に協力します。まずは2マンサナ(3.5エーカー)分のスイカの種と肥料の提供を行う予定です。


■活動地域のその他の状況
最近の活動地域の治安について  最近物騒なことが続いています。
 まず、3月上旬に、アグア・アマリーヨからトルヒーヨよりの所、またコロシート付近で、車が襲われ盗まれる、といった事件が起こりました。これ以降、夕方以降はバスもこのあたりは止まらず突っ走るようになりました。
 また、同じ頃活動地域への道の途中で、サンタ・ロサ・デ・アグアンでパンなどを売っている車が襲われました。拳銃2発を車に受け、結局お金だけをとられる、という被害だけで済んだようでした。これは、午後2時頃に起こったことで、それからは本当にできるだけ早く帰るようにしています。知り合いから、もし他に車が走っているなら、その車にくっついて走るようにする。、バスがいるならバスにくっついて走る、とかとにかくできるだけ他の車と一緒に動くこと、とアドバイスを受けました。
 また、3月中旬頃、トルヒーヨのビーチで強姦事件が遭ったそうです。何時ごろに起きたのかは分かりません。



AYUCA - ayuca@home.email.ne.jp