トルヒーヨについて
AYUCAの活動の拠点になっている市。人口4万5000人。首都・テグシガルパからはバスで約14時間(現在は不通)程度の距離。
家屋の倒壊などのハリケーンによる直接の被害は少なかったが、町までの道路が寸断されたため物流がストップし、飲料水、ガス(ボンベ)がなくなる。また電話が使用不能になり、電気の供給もストップ。
電話線は11月2日に回復、物流も徐々に回復し、現在、町のスーパーなどで生活物資に購入はできる状態。長く停電状態が続いたが、12月5日、ようやく電気も回復する。
洪水などで深刻な被害を受けた周辺地域に比べ被害が軽かったため、救援活動の拠点として機能し得る状況。
ブエルタ・グランデ及びその周辺の状況について
ブエルタ・グランデは被害が深刻でありながら救援物資のほとんど届いていない村。金井が現地で救援活動を続ける地域のうち、現在、もっとも深刻な状況。
ハリケーンの被害
被災後、三日間にわたり、地上約2.5メートルの高さまで浸水。家の壁が土でできているため、すべての家が全壊し、5人が溺死。その後赤ちゃんが一人肺炎で死亡。被災直後、約30人がマンゴの木に登って鉄砲水の難を逃れ、丸一日、木の上で助けを待った。
農地の100%が被害を受け、収穫はゼロ。家畜の9割が溺死。
現状 ('98年12月)
家畜小屋や汲み取り式便所などからあふれ出た汚水などが井戸に流れ込み、その水を利用することで、現在多数の子供が下痢を起こしている。シラミも流行。また、村の周辺では溺死した家畜類が、大きな水たまりのなかで腐敗して、異臭を放つような光景も見られる。
川に近いあたりでは、いまだに土壌は1メートルぐらいの深さの沼のような状態である。
育てていた農作物はすべて失った。土壌及び水は汚染され、新たに作物の種子を購入する金はない。村民たちは、来年の2月頃から耕作を始められると言っているが、何か根拠があるわけではなく、なんとなく予想してそう言ったいるだけである。実際にその時期から作物が耕作が始められるかは疑わしい。
家屋はほとんどが壁、屋根のないまま。屋根のかわりに木の葉などを置いて代用しているが、雨漏りなどはひどい状態。
首都テグシガルパなどで見られるような、政府による緊急のテント、避難所などは全くない。
現在村民に収入を得る手段はない状態。食料を分けてもらったり、手元に少し残った作物や、溺死した家畜を食べるなどしていた。
被災から1か月以上、AYUCA・金井やトルヒーヨの医療チームが届けたごくわずかの物資以外、一切救援物資は届いていなかった。
12月12日に金井が現地を訪れた際、食物の援助が少ないながらも届きはじめたことを確認。この先、数ヶ月間月に2回の援助が受けられることにというが、村民は次の援助がいつ来るのかを知ることができないため毎日、少しの食料をさらに切り詰めて使っている。
この時点でも村民の収入源はなし。
ドス・ボカス
サンタ・ロサ・デ・アグアン