AYUCA・金井優子からのお願い

 98年12月17日、現地で活動している当会・金井優子より、ご協力を呼びかけるFAXが届きました。
 ここに全文を掲載いたします。


 私は、スペイン語の勉強をする為に、このホンジュラスのトルヒーヨという町にやってきました。まさかここで、今世紀最大といわれるハリケーンMitchを経験するなんて、思ってもみませんでした。
 10月25日から雨が降り始め、町中がハリケーン対策(屋根の補修や食料の買い出しなど)をし、日に日に緊迫した空気が町中を覆っていきました。10月29日A.M.1:00頃、ハリケーンが一番近くを通過しました。この時、初めて、風の恐ろしさを感じました。風は今にも窓ガラスを割って、家の中に吹き込んでくる勢いで、吹きつけていました。キリスト教徒の彼らは、恐怖のあまり泣きながら祈りを始めました。強風が続いた3時間くらいの間は、誰一人として眠ることなどできず、多くの人が死の恐怖を感じていました。ハリケーン後、私のいる町は見た目には特に大きな被害を受けたようには見えなかったんですが、近くの村々はヒドイ状態でした。家が全崩壊し、すべてを失った人々が、水を含んだドロ状態の地面の上で、なすすべもなく、ただボウ然とすわっている光景を見た時、フッと阪神大震災のことを思い出し、震災の時、多くの人々が私達を助けてくれたように、私も何か、彼らの為に出来る事はないかと考え、まず、身近にいる被害を受けた人々の為に、食料を買う活動を始めました。その後、地元の医療関係のチームの薬を配布するという活動に参加させてもらい、サンタ・ロサ・デ・アグアン、ドス・ボカス、ブエルタ・グランデの被害の大きさを知りました。
 サンタ・ロサは、忘れられた地域として、新聞でとりあげられてから以後、いろいろな方面から多くの援助を受けることができたんですが、ブエルタ・グランデという小さな村は、ハリケーン後2カ月目にして、やっと、少しですが定期的に食料が配布されるようになりました。しかし、子供、老人に必要なミルク(粉)は全く配給されてなく、病気に対する抵抗力の少ない彼らの多くが、今、汚染された水を飲むことから起こる下痢に苦しんでいます。また、今は雨期の時期で、マラリアやデング熱を伝染する蚊が多く、家を失った彼らは、毎日、毎晩、その蚊に苦しめられています。このままの状態だと、それらの病気が流行する恐れがあります。いろいろ彼らと話しをし、今、彼らが一番必要としている物が「家」だということを知りました。彼らは、屋根の材料となるアルミとくぎさえあれば、あとの材料は自分達で探して家を立てることができると、熱心に話しかけました。それまで生きる気力を失くしていた人々が、目を輝かせ、熱心に私に語りかける姿を見た時、本当にうれしく思いました。約3万円で家を一軒建てる為の屋根の材料とくぎが買え、その家族が、雨、蚊、ハエから身を守ることができます。また約300円あれば、子供一人がミルクを飲めて、病気に対する抵抗力をつけることができます。
 物質的な援助だけでなく、その援助を受けることによって、彼らが自分達の未来に希望を持つことができます。少しでも、1人でも多くの人が生きる気力を持てるよう、みなさんの御協力をお願いします。

12月17日 金井優子 

金井優子のサイン


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