メニューに戻るホームに戻る




  捨てればいいのに。



 

 ある日。菊から電話が掛かってきた。
 『思う所ありまして、アルフレッドを捨てる事にしました。ご協力、願えますか?』

 決して来ないと思っていた。
 その癖どこかで、願いが成就される日を信じていたフェリシアーノは、それは、もう喜び
勇んで本田の元へと向かった。

 「フェリシアっつ! ああ、ふぇり、しぁあっつ」
 誰に名前を呼ばれるのより、菊に名前を呼ばれるのが幸せ。
 普段でも嬉しいけれど、こうやってSEXの最中に、縋る声音で呼ばれるのが最高だ。
 「んー? なぁに、菊」
 フェリシアーノに、綺麗にうねくる背中のラインを見せつけながら菊は、必死に首を捻じ
曲げてくる。
 「キスっつ。キスを、して、下さいっつ」
 「……菊ったら、本当。キスが大好きだよねー」
 本来のSEXそのものよりも、触れ合う程度のキスやゆるやかな抱擁を好む菊だ。
 彼の好むことなら何でもしたいし、彼のオネダリならどんな事でも叶えてやりたい。
 フェリシアーノは腰の打ちつけを緩めもせず、菊の奥深い所を遠慮なく抉りながら、喘ぎを
止められない唇にキスをする。
 触れ合うだけのキスでは、満足できなくなっている菊はすぐさまフェリシアーノの口腔に舌を
滑り込ませてきた。
 舌を絡めようとして、フェリシアーノの突き上げに意識をずらされ、失敗するのがまた。
 フェリシアーノの征服欲を煽った。
「んっつ! んっつ! むんっつ、うんっつ」
 突き上げるだけ中が締まり、吸いついてきてその都度、絡めた舌が愛らしい痙攣を起こす。
 感じているのが、あちこちから伝わってくるのが何より嬉しい。
 「あんっつ! フェリっつ。ふぇりしあっつ」
 息が苦しくなったのか、自分からねだったキスを振り切って、切羽詰った声でフェリシアーノ
の名前を繰り返して呼ぶ。
 求められる至福の時間に、長く浸っていたかった。
 「なぁに?」
 「もっつ。出してっつ。奥に、いっぱい、してっつ。ミルクっつ。ちょくせつ、注いでっつ」
 「中に出したら、大変だよ? 俺が掻き出していいんなら、出しちゃうけどさ」 
 生でしたいのは山々だが、複数の相手を持つ菊は、基本的にそれを良しとはしない。
 まぁ、アナルSEXするのに、ゴム使わないのは、攻め手として、どうなの? という信条の
まま、菊の考えにも同意しているので、今も勿論ゴムをつけて挑んでいるのだけれど。
 「掻き出すのは、らめっつ。でもっつ。出してっつ」
 「菊……」
 「お願いですっつ。久しぶりにフェリシアのみるくっつ。飲みたいんですっつ! おなか
  いっぱい飲みたいんですっつ」
 絶頂と共に身体の奥深い所へと、直に注がれたいらしい菊は必死だった。
 きゅんきゅん締め付けてくる中に、フェリシアーノも限界が見え出してきたので、絶対
後始末は自分がするんだ、と胸の内で決めながら、一旦性器を抜き取った。
 「ひんっつ!」
 入れられて漏れるのはわかるけど、抜いた途端に零すのはどうなのだろう? 可愛いから、
全然OKというか、むしろ絶頂を迎えて下さい! って感じなのだけれども。
 「きくー。一緒にイきたいんだったら、漏らさないように、押さえてないと駄目だよねぇ?」
 涙目の眦にキスを押し付けて、つけていたゴムを外す。
 肩で身体を支えながら、必死に己の性器の根元を握り締める菊の媚態に、彼には見せたく
ない真っ黒い笑顔を浮かべるまま、ひくつく入り口に先端をあてて、息を吐き出しながら一気
に潜り込んだ。
 「フェリシアっつ!」
 きつく性器を抑え込んでいた為に、射精には至らなかった反動で、中イけしてしまったらしい。
 何とも男慣れした身体だ。
 絶頂を迎えたばかりの菊の中は、数分の間、快楽の坩堝となる。
 一体どういう構造になっているのかはわからないが、SEXに自信のある男でも数秒で果てて
しまうような、絶妙な吸いつきや絞りの凄まじい肉穴になるのだ。
 フェリシアーノは、僅かな時間を満喫するべく菊の唇を奪い、ディープキスをしながら思う存分、
腰を使った。
 「……! ……!!」
 気持ち良い! と訴える黒目から、ぽろぽろと快楽の涙が滑り落ちる。
 涙を一滴残らず啜り上げたい衝動に駆られながら、キスと腰振りを続けた。
 「出すよっつ!」
 菊の淫らに蠢く中から、極々微かに吸着力が削がれるタイミングをどうにか見計らって、
フェリシアーノは射精に成功する。
 「ひつ! あああああっつ」
 同時に唇を解放すれば、絶頂の嬌声が上がった。
 射精もしているし、もしかしたら中でもイってしまったかもしれない。
 フェリシアーノは、余りの心地良さに腰を揺すって、菊の最奥を先端で広げながら、残って
いる精液を余さずに注ぎ込む。
 「ふぇりしあっつ。フェシリア。すごっつ。あついっつ。みるく、みるくっつ。いっぱいっつ」
 「美味しい?」
 「おいしい、です。とっても、おいしかった、ですっつ」
 「そう? 良かった。俺も毎回思うんだけど。今回も最高に、気持ち良かったよ」
 今だ性器を抜き取らずに、菊の体を横抱きにしながら蒲団の上に転がった。
 蒲団は度重なるSEXを支えていたせいで、しっとりしてしまっている。
 少し、陽にあてた方がいいかもしれない。
 「……ねぇ、菊。聞いても良い?」
 「何です? 改まって。ひんっつ!」
 菊の肩を押さえ、入れたまま身体を反転させて、彼を自分の身体の下に敷き込むと、正面
から向き合う格好にする。
 「ひとっつ! 一言いって下さい。び、びくりしました」
 「ヴぇ! ごめんねー。この手の話は、菊の顔を見ながらした方が良いと思ったら、つい、
  ねぇ?」
 髪の毛を撫ぜて、耳朶を擽り、頬と額、眦にキスをすれば菊の動揺も間を置かずに落ち
着いてきた。
 「……もう、大丈夫です。それで、どういたしました?」
 「奴を切り捨てるって話は、皆にもしたの?」
 「いいえ。これからですよ。一番にフェリシアに言いました」
 「本当に? わっはーい! どうしよう、凄く嬉しい」
 つい喜びにまかせて、舌を舐めながら吸い上げるディープキスをすれば、菊の中が再び
蠢き出した。
 応える気満々で大きく一度、腰をグラインドさせる。
 「ちょ! フェリシア。少し、休憩させて下さい」
 「えーえぇ!」
 「休んだら、またしましょう。それに、話が途中なんじゃないんです?」
 「あーそうだった」
 聞きたいのはもっと先の話。未来の事。
 「当然、これから他の奴にもするんだよね」




                                    続きは本でお願い致します♪
                           黒伊ブームは一体どこまで続くので性か?
                                       全く検討もつきません。
                 先日悲しいくらいに真っ白いフェリシアを拝見したのですが、
                速攻の脳内変換で、真っ黒く仕立て上げる自分がおりました。
                                        しみじみ、病んでます。




                                       メニューに戻る
                                             
                                       ホームに戻る