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  お前は、違うよな?



 「……久しぶりに良く寝ましたよ……って、どこです、ここ?」
 しょぼしょぼと目を開けて、初めに映ったのは天井。
 陽光が燦々と降り注ぐガラス張りの豪奢な天井に見覚えはなかった。
 「わん!」
 「あれ、ぽち君」
 本田の目覚めに愛犬が飛び掛ってくるのは、日常なのだが、自分が寝ていたらしいベッドは
非日常的だ。
 恐らくはクイーンサイズと言われる大きさだろう。
 ルートヴィッヒが三人寝ても余裕がありそうな感じがする。
 少しは慣れた場所にあったぽち君が眠っていたらしい籠にも、やわらかそうな布地やクッショ
ンが敷き詰められていて、とても心地良さそうな設えなのだが、何しろ身に覚えがない。
 しかし、これだけ至れり尽くせりな状況だ。
 悪意を持って成された事ではないのだろう。
 と、すれば。
 「上司のびっくりどっきりですかねぇ……」
 と言う側から、まさかあの、頭の固い上司がそんな事をするはずもないと、すぐに打ち消した。
 他にその手のドッキリが好きそうな相手と言えば……。
 「ジョーンズ君とか、ですか?」
 彼ならやりかねない。
 最近忙しいです! 引き篭もりたいです! と愚痴を溢していたから、引き込まれるぐらいなら、
気分転換を……どうせなら、びっくりさせたいし! と思い至るまでの経過も目に浮ぶ。
 「きっと、彼の仕業ですね! と、なると休みはきちんと確保されていないような気も。いえ、
  案外と用意の良い彼の事だから、きちんと許可を取ってくれてる気もしないでも……」
 「……何をぶつぶつ言ってるんだ」
 何時の間に来たのだろうか。
 全く気配がなかった。
 あれこれと考えを巡らす本田の前、腕を組み見下ろしていたのは、何時もどこか不満げな
顔をした恋人だった。
 「ロヴィーノ君?」
 「ああ……おはよう、菊。ぽちも、おはよう」
 「きゃわん!」
 本田の額にキス、ぽち君には頭を撫ぜる挨拶をしたロヴィーノは、ベッドの上に静かに腰を
下ろす。
 「おはようございます……」
 「なんだ。まだ、目が覚めてねーのかよ?」
 本田の両頬を優しく包み込んで顔中にキスをするロヴィーノに、気が付いたのは、その
言葉が切っ掛けだった。
 「へ! わ! 覚めてます! 覚めてますよっつ!」
 慌てて、彼の唇にふよりと指先をあてれば、その指先までもぱくりと口の中に収められた
挙句。
 丹念に舐め上げられてしまった。
 「もぉ! 朝から勘弁して下さい。お爺ちゃんのライフがゼロになりますよ!」
 「まだ寝たりないんかよ? すんげぇ良く寝てたぞ」
 「はぁまぁ、そうですよね。ここへ来るまでに全然気が付きませんでしたもん。で、こちらは
  どこですか」
 「……南イタリアにある、俺の隠れ家」
 「隠れ家! 素敵ですね。ワクワクします」
 嫌そうに答えるので、殊更明るく言ってみたのだけれども。
 「本気で言ってんのかよ?」
 ロヴィーノの機嫌はどんどん下降して行く。
 「え? 何かまずかったですか」
 「……や。喜んで貰えるなら本当に、嬉しいさ。真実を知ってもお前なら、喜んでくれると
  信じてもいるぜ」
 「真実って、ロヴィーノ君?」



                                    続きは本でお願い致します♪
              ロヴィーノにはヤンデレが似合うと思うノは、自分だけでしょうか。
                                 おお! ビバ、ヤンデレ!
                          そんな感じの作品が書ければいいのですが。   




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