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 ギルベルト君。
 彼もまた……ね?
 アーサーさんといい、ギルベルト君といい。
 私、もしかして世間様で言う不憫属性に惚れっぽいのかもしれないなぁとか思います。
 え?
 外見乙?
 それは……否定しませんよ。
 アーサーさんは、正統派美形の条件金髪緑目だし、ギルベルト君は厨二病設定を地で行く
銀髪紅目ですもの。
 初めて見た時は、そりゃあ驚いたもんですよ。
 何驚いたって、あの人が自分の色彩に私が驚いているっていうのに気がついた点です。
 当時、押し殺していた私の感情を上司でも部下でも見抜けませんでしたからねぇ。
 それを、あれですよ。
 んだよ?
 んなに、俺様が格好良いんか。
 いいぜ?
 遠慮しねぇで、とくと見ればいい。
 能面面晒してお愛想振りまくお前より、素っ頓狂に素を見せる今の方が余程面白れぇや。
 でしたから。
 二人きりになった途端ですからねぇ。
 それでも不思議とね。
 不憫な俺様って気がしなかった。
 師事すると決める前にギルベルト君の人となりは調べてきましたからね。
 弟が出来れば弟の為、それまでは国のため真摯に戦いに明け暮れていた潔い人でしたもの。
 師匠って、言葉も。
 自然に出ましたよ。
 勉強だけじゃなくってね。
 ルートヴィッヒさんなんかと一緒に。
 時間ないんです! って頑なな私をまるっと無視して、それこそ王様気取りで遠乗りに連れ出
して。
 美味しい手作りポテトサンドなんか、ランチに持ってきてくれたりして。必要以上に根詰めてや
っても、身につかねぇ。
 お前はもう少し、一息をついて、手を抜く事も憶えろとか言うんです。
 思わず、はい、師匠! 
 って、敬礼までつけましたよ。
 初めて言っちゃった時の、あの人の瞳はそれはもう優しかった。
 今でも夢で見るくらいです。
 SEXも、ね。
 優しいですよ。
 獣じみていて優しいって、ギルベルト君ぐらいじゃないです?
 最初は随分迷った癖に、一度触れたら凄かったです。
 思わず禁欲乙?
 って言ったら、いんや?
 俺様SEXする相手に不自由しねぇよ。
 玄人の姉ちゃんには人気あるんだぜ。
 だけどまぁ、ヴェストより愛情注げる存在なんてできゃしねぇって思ってたかんなぁ。
 そーゆーのが全部出たんだろって。
 照れもせずにしれっと。
 それって、未だに溺愛するルートヴィッヒさんよりも私を思う時もあるってことじゃないですか。
 瞬間湯沸し器みたく頭沸騰しちゃいました。
 ギルベルト君には今でもからかわれますよ。
 あん時のお前ってば凄かったよな。
 真っ赤になったと思ったら俺様押し倒して乗っかってくるんだもんよ。
 しかも、がんがん腰振っていい声で鳴きやがるし。
 ヴェストまで召還しちまうんだかんなぁって、ね。
 そう。
 実は、ルートヴィッヒさんの関係ってそれからなんです。
 そうそう。
 初手から3P万歳ですよ。
 本当、私。
 淫乱ですよね。

 不本意だったんですよ、実際。
 私。
 ルトさんとは親友でありたかった。
 あの自分と良く似た気質は面映い反面心地良くて安心できました。
 フェリシアと三人で完結した擬似家も楽しめましたからね。
 ルトさんがお父さん、フェリシアが子供で、私が母親。
 我ままだけど才能に満ち溢れた子供を、愛する人と相談しながら伸ばして行くって、なかなか
に得がたいシチュエーションではあったものですから。
 まぁ、フェリシアもラテンな方ですから、素直に子供に収まってはくれなかったんですけど、
それは後程。
 あの時は、そう。
 何だってあんな恥ずかしい声を出してしまったのか。
 もしかしたら、心の中では既に兄弟どんぶり、乙。
 3Pキター! 二穴責めに、二輪差し! 
 未知の領域に足を突っ込むのは、ネタになりますね、きっと!
 とか、ふざけた事を思っていたのかもしれません。
 自分でもあずかり知らぬ奥深い場所で。
 しみじみ業が深いですよねぇ。
 え? ネタのためなら何でもするって?
 そうでもないですよ。
 ただ、あんまりなめに合うと、せめてネタとして消化しないと悔しくて仕方ないっていうのは
儘あることなんですけどね。
 あー。話ずれましたね。3P。
 何の事はない、私が、ギル君っつ、それ駄目ぇ、許してぇ!
 なんて。
 大きな声出しちゃっただけなんですよ。
 ルトさん宅で。
 ルトさんが居る時に、居ない時でも、そんなはしたない声を出した事なんてなかったですから
ねぇ。
 慌てて口を押さえた時には手遅れで。
 どうした、菊っつ!
 って、飛び込んできた時のルートヴィッヒさんの怒ったようにも見える心配いそうな顔には、申
し訳なかったです。
 その後、驚きに変わったのは想定内で。
 にぃっと口の端を上げられて、どS満載の笑顔ですごまれたのは想定外でした。
 ギル君も、ルトさんの顔を見てさくっと私の太股を抱え上げましてね。
 大股開きですよ。
 ずっぽりとギル君のアレを銜え込んだ挙句、完全勃起してる状態を見せ付けるようにされまし
た。
 笑みを深くしたルトさんが、私の粗末なそれを大きな掌ですっぽりと握りこみながら、耳朶を
甘く噛んでね。
 悪い子だったんだな、君は。
 って、腰骨に響く素敵低音で囁かれたその瞬間に私、堕ちましたね。
 耳から犯されるっていうのは、まさしくこれだ!
 なんて、こそりと握り拳を固めましたよ。
 童貞の噂もあったルトさんですけど、実はそれが微妙に違くて。
 純粋なSEXはしたことなかったらしいんですけど、プロ相手にプレイは楽しんでいたんですよ
ね、SMの。
 だから、なんていうんです?
 すっごく縛りと言葉攻めと焦らしの上手い童貞、みたいな?
 でもって、ギルさんが俺様仕様の言葉攻め上手じゃないですか。
 削られましたねぇ、心身共に。
 三日後に会ったにも関わらずフェリシアに見抜かれて、これまたまるっと頂かれてしまったくら
いには激しい行為でしたよ。
 今はそうですね。
 ルトさんは、縛り跡の残らない全身緊縛の研究に余念ない感じです。
 はい。
 あ。勿論私を使って、ですよ?


 

                     やっぱりルトさんは、ドS仕様じゃないとね。
         そして、関係が深くなるほど乙女炸裂とか美味しいと思います。




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