前のページへメニューに戻る次のページへ





 
 「どこ、を?ロイがちゅうちゅうして欲しいのは、どこかな」
 「やあ、意地悪、しないでぇ」
 「だってきちんと言ってくれないと、私にはわからないよ。ロイの身体は熟れ切っていて、どこ
  もちゅうちゅうして欲しそうだからね」
 指先がくりんと先端を撫ぜ上げて、腰が跳ね上がる。
 強い刺激を逃そうとする間もなく、しばらく放置したくらいでは、色すら褪せない乳首を吸い
上げられた。 
 「違うっつ。ああっツ。違い、ます。そこ、じゃなく、てっつ」
 「乳首じゃ、なくて?」
 歯まで立てたれて、仰け反る首筋も吸い上げられる。
 否定しようがない派手なキスマークがついてしまったことだろう。
 「ち、くび、じゃなくって。首、でもなくって」
 「ああ、じゃあ。ここだね」
 ようやっと思い通りにして貰えると、ほっと力を抜いたのを見計らったタイミングで、袋を吸わ
れた。
 「ああううっつ」
 「イイ声だ。やっぱり袋を吸い上げて欲しかったんだね」
 じゅっと濡れた音がして、二つとも口の中に収められて勢いもよく吸い上げられた。
 肉塊の先端まで上り掛けた精液が、吸い戻されてしまうような感覚に私は太ももを擦り上げ
て耐えた。
 「ころころって、舌に絡んで気持ち良いよ」
 「あんっつ!あんっつ!や、やぁ」
 「あれ?もしかしてここでもなかったのかな。嫌って言ったよね」
 
 じゃあ、どこかなーと鼻歌でも謳わんばかりの風情に、何だか眩暈がしてきた。
 焦らされ続けるのにも限界があるのだと、この人で覚えた。
 それが、目の前に近づいている。
 自分が、ただ相手の熱を求めるだけの獣となる瞬間。
 人と、獣。
 理性と本能の、狭間は人の感知できない所にあるのか、私が特殊なのか。
 まるでそれが、表裏の関係にあるように、くるっと反転する。
 ぎりぎりまで理性で押さえ込んでいた劣情が弾ければ、同じ激しさで貪る淫欲へ成り代わる
のだ。
 「お願い、ヴァっつ。私の、お…ち……ん、吸って?」
 「もう、限界かな」
 「おかしく、なりそ、です。今度、こそ…あなたのくち、に出した、い」
 「ロイは本当に、いい子だね」
 唇を掠めるだけのキス。
 はあっと吐き出した息に、ホーエンハイムの眼差しが甘く、蕩ける。
 ちゅっと先端にキスが届いて、じゅうっと吸われた。
 「あんっつ、だめっつ、だめっつ!でちゃうっつ」
 この人が相手じゃなければ考えられないと思う。
 口の中の暖かさを感知するとの同時。
 吸い上げられた瞬間に、射精してしまった。
 まだ、先程の余韻すら残っているというのに。
 「ああっつ。んっつ。んっつ」
 『飲みたかった』という言葉のままに、中から啜り出されるようにして最後の一滴までもを嚥下
してゆくホーエンハイムの頬を、熱くなりすぎた掌、必死に包み込む。
 「ね?このままっつ。このままっつ、して?」
 ホーエンハイムを受け入れたがっている箇所は、まだ愛撫らしいものなぞ一度も与えられて
いないのに、入り口をひくつかせている。
 何時でも入れて欲しいとか、思ってしまう貪欲さには、赤面しかないが、そんな中でも射精の
後は特に堪らなく欲しいのだ。
 「ヴァ、の、ここに、入れて……欲しいっつ」
 「だって、ロイ。ここには、まだキスもしていないんだよ」
 どうにか自分の指で広げた場所に、軽く唇が届く。
 「んあっつ!」
 それだけで、全部出してしまったと思っていた精液がまた、零れてしまう。
 「もう、だいじょ、ぶ。だから…入れてっつ!」
 「うーん。じゃあ、確認はさせて貰うよ」
 口の中、ちゅぷんと指が入ってくる。
 私は必死に硬い中指全体に唾液を絡ませるようにして、吸い上げた。
 かりっと根元に歯を立てるのが、濡らせました、という完了の合図。
 抜き取られた指先からは私の唾液が糸を引く。
 「ロイ…力、抜きなさい」
 「んう」
 大きく息を吐いて、なるべく入り込んでくる指のことを考えないように思考を散らすのだけれ
ど、指先が入り口に触れた途端、ぴくっと太ももが震えてしまう。
 「ローイ?」
 嗜めるような、困った風な。
 そんな声音。
 入り口をくるくると撫ぜるように、収縮加減を楽しんだ中指がつぷんと入り込んできた。
 根元までをスムーズに銜え込めて、ほっと安堵の吐息をつく。
 「やっぱり、まだ入れられないよ。締め付けが強すぎる」
 「え?あん。駄目っつ。指、抜かないでっつ」
 中をくるっと指先だけで一周させて、中指は呆気なく抜かれてしまった。
 「中、解そうね」
 「やあっつ、やあっつ。もう、おかしく、なる…欲しい、欲しいよぅ」
 どうして、入れてくれないの?
 そんなに、欲しがらせたいの?
 もう、こんなにも限界なのに。

 「ロイ。そんなに泣くものじゃないよ。可愛い目がぽってりしてしまうから」
 身体の位置を変えたホーエンハイムは、ちゅ、と目の端にキスをくれた。
 宥める優しさは、今必要ないというのに。
 「でも、もう。ほしっつ」
 「だって。この状況で入れたら、痛いでしょうに」
 入り口を擽られて、ひくついている場所は確かに何度されても狭いままだ。
 ましてやホーエンハイムのアレは巨大ともいえる。
 SEXを商売としている女性でさえも手に余る太さと大きさだったりもした。
 アレに侵食され続けた私の身体なぞはきっと、もう彼のでしか満足できないだろうと思える代
物だ。
 大きさ太さだけでもなく、何もかもが。
 「君のここは、何時までたっても狭いから」
 「ごめんなさい…」
 「謝るところではないでしょう?男なら誰でも嬉しいものですし。私も勿論とても嬉しい。ただ
  ね。貴方に痛い思いをさせたくないだけですよ」
 再び身体の位置を変えて、私の下肢に顔がくる位置に据えたホーエンハイムは、蕩ける様
な笑顔を向けた。
 「私だけが気持ち良くなるのでは意味がないのだよ?二人一緒に気持ちよくならないと、ね」
 「入れて、くれれば。一緒に気持ち良くなれますよ?」

                        
                                            
                               

                                         前のページへメニューに戻る次のページへ
                                             
                                             ホームに戻る