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 アニメ 鋼の錬金術師
 
   鋼の説明は、以下省略にしましょう。
   してみました。


 ロイ・マスタング大佐
 ……焔の錬金術師。
    アニメ見てないから、大総統との絡みは微妙なんですが。このお話では壊れ系で。

 キング・ブラッドレイ大総統
 ……ロイがその地位を狙っている御方。原作の戦闘シーンでは鼻血を噴きかけました。
    戦う親父はいつでも格好良いものでありんす。


 ヒューズを亡くし、ハボックも退役した後。
 壊れてしまったロイを、ブラッドレイが養う、暗い話。




 
黒猫


 「おやおや、またそんなトコで眠ってしまって。本当に困った子だね?」
 彼のために買った小さな一軒家。
 一番広く取った間取りの中、これまた一番大きな家具であるキングサイズのベッドの上で寝付
けず、隅で蹲る彼の身体をまとっていた毛布ごと、抱き抱える。
 「んう?」
 目を手の甲で擦る、幼い仕種。
 「起こしてしまったかな」
 「……レイ?」
 私の名を略して呼ぶ、舌ったらずな声音。
 「そう、ブラッドレイだよ。いい子にしてたかね。ん?」
 「…て、た」
 真っ直ぐ私を見つめるはずの瞳は、どこか焦点があっていない。
 「そうかな。いい子というのはベッドできちんと眠れる子のことをいうのだが」
 「ごめんなさい」
 狂った瞳に、それでも怯えの色が浮かぶ。
 「私は、これでも優しくしてあげたいのだよ。でも君がイケナイことばかりをするから、おしおきを
  することになってしまう」
 どんなにか、優しくしても無駄。
 どころか、優しくすればするほど、病んでゆく。
 痛みだけが、君を、正気に帰すのだとわかった時には、もうどうしようもなく君がいとおしかった。
 「ベッドの上で四つん這いになって、お尻を突き出しなさい」
 「はい」
 毛布を滑り落とせば、何一つまとってはいない。
 唯一身に付けているものといえば、首にひたりと張り付くように誂えて作らせた、鍵穴のない幅
二センチ程度に細いプラチナの首輪。
 従順に四つん這い、高く突き出す尻を怯えて逆立った産毛を寝かしつけるように、掌全体で撫
ぜ回す。


 寒さではない震えを走らせる様に、我ながら歪んだ笑みを浮かべて、大きく手を上げると、音
を立てて尻を打つ。
 「ふっつ!」
 きゅっと拳を握り締めて、肩を竦める様を、嘗ての部下が見たら、何と言うだろうか。
 昔から一部の人間に愛され、執着されることに慣れた存在であったようだが、まさか私までも
がその虜になるとは思ってもみなかった。
 ぱん!ぱんっ!ぱん!
 立て続けに打てば、尻が鮮やかに紅を差してゆく。
 「つ!あ!」
 「ん?痛いのかね。やめた方がいいのかな?」
 「たく……痛くないですカラ……やめないでくだ、さい」
 仰ぎ見るようにして私の顔色を伺ってくる、小動物のような眼差しに、かつての覇気は欠片も
見出せない。
 今ではすっかり従順なペットと化した彼が、時折見せる遠いまなざしは、私では完全に満足
させてやれない証であるけれども。
 「そうかな。私はずっと打ってあげてもいいけれど。ロイが欲しいのは、違うおしおきじゃあ、な
 いのかね」
 身体だけならもう、私の思うが侭。
 今も尻を打たれているのにも関わらず、ナニが勃起している。
 壊れた心に付け込んで躾た身体は、被虐を求めてやまない。
 「これを擦って、小さなお口から一杯精子をだしたいんじゃないのかね」
 私の質問に、ふるふるっと首が振られる。
 随分と伸びた髪の毛がやわらかく首筋に張り付くのを、指先で払おうとするその指が、ぱくり
と銜え込まれた。
 「おやおや。もう欲しいとは。困った淫乱だ」
 苦しいだろう体勢に、辛さなど微塵も表には出さず、一心に私の指を根元から嘗めしゃぶる。
 つつつっと、口の端から唾液が滴ってもやめることはなかった。
 「どれ」
 唾液でふやけそうになった指を唇から抜き取り、秘所に指を差し入れる。
 「ひゃあうつ」                                 

 存分に開発した箇所は、少々の愛撫ですぐにほぐれてしまう。
 直接触れなくとも既にやわらかになった秘所は、ふしくれだった私の指を根元まで容易に飲み
込んでゆく。
 「レイっ!レイぃい」
 「どうしたね。指を入れてあげただけだよ。痛いのなら、やめよう?」
 「たく、ない。ち……いい」
 痛くない。
 気持ち良い。
 と掠れ切った声で繰り返す、女よりも甘い舌足らずな声。
 嗜虐をそそるとも知らず、いや、本当は知っているのだろうか。
 「これなら、すぐに私のモノを飲み込めそうだね。どうする、ロイ。もう入れた方がいいかね」
 激しく液が飛び散るほどに出し入れを繰り返しても、締め付けは全く損なわれない。
 きゅきゅっと指が締め付けられる度に、これが私自身だったならどれほどの愉悦に浸れるの
かと、咽が鳴る。
 「入れて……入れて……くだしゃ……いぃ」
 外側から両手で尻たぶを掴んで、収縮する蕾が丸見えにさせる淫らがましい格好も、私が躾
たものだ。
 「そうか。いい子だね。一杯注いであげよう。零してはいけないよ」
 「は…あ……い」
 とろんと快楽に期待しきった眼差しを向けて、頷く頬に唇を寄せて。
 肩を竦めて怯える唇の、舌を絡めとりながら、獣の姿勢で深々と貫く。
 「にゃあっつ……」
 私が猫として扱う内に、無意識でも可愛らしく鳴くようになった。
 「れ、い……」
 根元まで押し込んで、しゃくりあげるような喘ぎが少しだけ落ち着くまで待つその間。
 秘所は私の肉塊をやわらかく包み込みながら、射精を許さないきつさで締め付けてくる。

 太さも長さも十分すぎるほどにある私の肉塊を、どれほどの頻度で激しく出し入れしても彼の
中は、初々しく痛いくらいの狭さを保ったままだ。
 「やく……れ、い……早、く……して。出して」
 「まだ君の中はきつすぎて、動けやしないよ。ゆっくり深呼吸をして、私の心音を聞きなさい」
 奥まで差し込んだままで体勢を入れ替えると、にゃあっと、小さな鳴き声を上げて、胸の中央
の辺りに、必死に縋りついてくる。
 ちょうど胸の真中に埋め込まれた賢者の石は、心臓にも似て赤く、鼓動すら刻むのだ。
 「聞こえ、ない……れい?……音、しない」
 「よく聞きなさい。ちゃんと聞こえるだろう」
 ただ人の心臓の音とは微妙に違うらしく、壊れた彼を更なる狂乱の渦へと誘ってゆく。
 「や!しない。しない。聞こえない。心臓の音なんて、聞こえないっつ!」
 がりりっと胸に爪が立てられて、血が伝った。
 人と同じ、真っ赤な鮮血。
 「心臓の音が、しないっつ!いやあああ。聞こえない。嫌だ。駄目だ。逝くな。まあすっ!」
 まあす。
 舌足らずな呼び名を正しく綴れば、マース・ヒューズ。
 彼が愛した。
 きっと今も愛してやまない、死んでしまった男の名前。
 「泣くんじゃないよ。ロイ。ほら、君がつけた傷から血が、出ているよ」
 私は混乱する彼の額に、宥めの口付けを施して、彼を己の胸へと引き寄せる。
 「ほら、血だ。赤くて、ちゃんとに塩からいだろう?」
 専門機関で検査をしても、人の血液と変わらないのだ。
 ただ、遺伝子の情報だけが組み込まれていないだけで。
 「血?れいの、血……痛い?」
 私の目を真っ直ぐに見つめて心配そうに首を傾げる。
 



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