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 腰を持ち上げられて、四つん這いの格好に固定され、尻を広げられる。
 「すげぇ。俺の銜え込んでんのに。まだ足りないって、ひくひくしちゃってますよ」
 「っるさい!」
 「俺がもっと欲しいって。コックを限界まで捻じ込んで、うんと突き上げてって。オネダリして
  いるんスよね」
 しかし、言葉で弄りながら奴の取った行動はといえば。
 性器を収めたまま、弛みないない鍛錬で見事な銃ダコだらけの中指を、追加で差し入れる
事だった。
 「あんっつ!」
 タコの部分が、前立腺裏を狙ってきて、声が溢れる。
 それだけで、漏らしてしまいそうな良さに、全身を震わせる。
 「お前っつ、こそ。淫乱じゃあ、ないか」
 「はぁ? なんスかそれ」
 「指で、自分のナニを擦ってるんだろ」
 「ほほー。そうきますか。これでも一応遠慮したんですよ? アンタってば何時でもきつきつ
  だからさ」
 根元まで、手に余るナニをぶち込んでおきながら、そのかすかな隙間を縫って指を捻じ込
ませてきた男の、どこに。
 遠慮なんて言う文字があるのだか。
 しかし、私は、すぐさま自分が吐き出した言葉を後悔し、胸の内で吐き出した思考を改める
羽目になる。
 ジャクリーンは一気に指を三本に増やした。
 良く入ったと自分を褒めてやりたい。
 息の詰まる圧迫感。
 入り口が切れもしないのは、奴が上手いのか、私の身体がイってしまっているのか。
 「じゃっく!」
 「ふふふ。さすがにつらいっしょ。ちなみにねぇ? この状態で俺がマスタベなんかしちまっ
  たら……」
 「う! わ、あ、あ、あああ!」
 奴の指が己のペニスを擦り始める。
 動けば動くだけ、限界まで引き吊れている粘膜が刺激された。
 「わかった? でもってね。もっと、続けると……」
 途端、強引に指の抜き差しのスピードを上げられる。
 声も出ない衝撃だった。
 尚、悪い事に奴の都合が良いように動かされる為、敏感な粘膜を擦りまくられているとい
うのに、絶頂には足りない。
 ちょうど良い場所には、指が掠りもしないのだ。
 「やだ、じゃくっつ! 指、しないでっつ」
 「んー? 俺はマスタべってるだけっスよ。どしちゃったの。そんなに……悶えちゃって」
 揶揄う声に腹立たしさを覚えぬ訳でもなかったが、生殺しの激しさに、根を上げるのは早かっ
た。
 「わたしがっつ! わるかった、から。も、しないでっつ」
 「……そんなに、これ。つらいんだ?」
 「ひゃうんっつ」
 奴の指が己の性器を上から下へと撫ぜ上げる。
 中が、ぐぱぱぱ、と物凄い音を立てて開かれた。
 羞恥よりも、恐怖に近いおぞましさが走る。
 「つら! つらいんだ! いっぱい、いじられて、るのに。いいトコ、届かないっつ」
 「俺がどんだけ、アンタ優先のSEXしてっか、少しはわかってくれましたかね?」
 「わかった! よぉおく、わかったっつからっつ! して。ろい、を気持ち良くしてぇ」
 こっ恥ずかしいセリフを叫んだなぁって、頭のどこかで思ったのだが。
 これ以上焦らされると、それこそ頭のねじが幾つか彼方へ飛んで行きそうだった。
 「……アンタってば、本当に。俺を煽るの得意っすよね? ジャンならまだしも。俺を、本気に
 させないで下さいよ」
 希望通り、容赦なくイイ所をピンスポットで抉られて、声も出せずに絶頂を向かえる。
 びゅっつ、びゅっつと、まるで数ヶ月、自慰もしていないぐらいの勢いでたっぷりと精液が飛
び散った。

 「……すっげ」
 「言うな、馬鹿っつ!」
 「アンタも懲りない人だね。いいの、馬鹿とか言っちゃって?」
 「ひううっつ」
 奥底に注がれた精液が、中に馴染むように掻き混ぜられた。
 ぐちゃぐちゃという淫猥な音に耳を犯される。
 「よくなっつ。良くないっつ。わる、悪かった。ジャックっつ!」
 「さすがのアンタも、俺の息子と指三本は堪えた?」
 「二度は勘弁しろ」
 「ふーん。アンタなら二輪差しとかイけそうだけど」
 「お前と、じゃんのなら、しても良い」
 「それって、駄目ってコトじゃん!」
 簡単に言うが、二輪差しなんて冗談でもゴメンだ。
 しかも、ジャクリーンとジャン。
 単体でも困るペニスの大きさが、二本になってみろ?
 絶対に裂ける。
 裂けるだけならまだしも、垂れ流しになるような無様な真似だけは避けたい。
 締まりが悪くなったと、嘯かれるのも嫌だ。
 「ゆるく、なったら。困るのはお前達だぞ?」
 「アンタのここは、きつきつなんでちょっとは、ゆるくなった方がいいと思いますけどね。あー、
  そうだ。フィストファックとかどうです?」
 「ジャクリーン!」
 「二輪差しより、マシな気がしません? ロイさんの中なら、入ると思うんです……ロイさん?」
 不意に、何だか自分が物扱いされている気がして、ほたほたと涙が落ちてくる。
 「ロイさん?」
 くるんと、またしても中に入ったままの状態で、反転させられて、喉がひくついて。
 悲しみも倍増した。
 両手で覆って泣き顔を隠すが、嗚咽は押さえきれない。
 「……どうしました」
 強引な指は、私の手首を引っ掴み万歳をさせられてしまったけれど。
 涙目で見上げた眦に落とされたキスは、慈しみ溢れている。
 「なんでも、ないっつ」
 「何でもない人は、いきなり泣き出したりしません。はい、どっこらしょっと」
 「あううっつ」
 ずるんと、身体の奥に収まっていたペニスが引き抜かれた。
 「やああっつ」
 力が入らず、ぱたたたっと落ちた精液諸々の液体は、ジャクリーンがすさかず押し付けた
ティッシュが吸い取ってくれる。
 「はい。これで、ぎゅうっとしましょうね」
 新しいタオルで下肢を包んでくれるので、例え漏れても、シーツを汚す事も、ジャクリーン
の手を煩わせることもない。
 安堵の溜息をついた私は、しかし、ジャクリーンの腕から抜け出そうと足掻く。
 「……ロイさん。それは駄目です。正面抱っこが嫌なら。ほら、後ろから抱っこします。
  これなら、アンタの顔が見れません。良いでしょう?」
 頷く代わりに、じたばたを止める。
 奴の腕が、壊れ物を扱う繊細さで抱き締めてきた。
 「ねぇ、ロイさん。俺はジャンの奴より無茶言うけど。基本は、アンタをよくしたいって言う
  感情が一番ですよ」
 普通、フィストファックを喜ぶ奴がいるか?
 二輪差しを欲しがる奴が?
 率先して?
 それこそ、相手が喜んでからこそ。
 自分が受け入れられるぎりぎりの、それらを実行しようとするのであって。
 こちらの意志を無視して、しようとするなら、それは。
 レイプ以外の何物でもない。




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