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 ゲーム 遙かなる時空の中で3 

 今更ですが、ゲーム系は攻略済なので、ネタバレ万歳です。ご注意を。

 好きなゲームは何ですか?と尋ねられた時にベスト5の中には入るだろうゲームです。
 1〜3まで基本コンプリート目指して戦ってきました(時々挫けて間があきます。
 現在3の外伝的なソフトの攻略も途中で止まっています、が何時かやります!)
 だいたいゲームをプレイするとBLに走るのですが、遥か3に限り八葉望美のノーマルカプ。
 1,2は全て天地白虎萌に終始しました。
 全てのキャラと絡ませる事を誓い、100お題で攻略中。
 しっかし、九郎はなかなか落せなくて泣かされたキャラだったっけなぁ。
 何度、フラグ立てをやり直したことか(汗)
 


 登場人物

 源九郎義経(みなもとの くろう よしつね)
 ……最初は何と言うかこう、あからさまビジュアルに萎えたのですが。
 愚直で兄に忠実な所とか、ツンデレな所とか。
 色々不器用な所が可愛くて仕方なくなって、煮え!
 主人公の兄妹弟子設定な所も好きです。
 地の青龍。

 春日望美(かすが のぞみ)
 ……この手のゲームは、主人公の名前替えをしないでやります。
 性格は真面目で情に厚い設定で、進めてます。
 コンプリでは基本ですよね。
 九郎相手だと徹底的に兄と慕うか、小悪魔的に翻弄するかのどっちかが好みではあります。


 今回のお相手は、なかなか18禁フラグの立ちにくいカップリングで頑張っては見たのですが、
こんな感じに。
 完全な九郎ルートで、遥か3の現代エンドのエピソードと思って頂けたら幸せです。

 

 
水彩色鉛筆
 

 「望美?ナニをやってるんだ」
 「ひゃあ!」
 不意に後ろから覗き込まれて悲鳴を上げる。
 「気配を断たないで下さい!」
 「ん?特に、断ってはいないが?」
 と、言う事は私の気が緩んでいたという事か。
 まぁ、この人相手に何を隠すものもないのだけれど。
 今回は、別。
 ちょっと、気恥ずかしいのだ。
 「……綺麗な色だな。これが、水彩色鉛筆か?」
 「……そう」
 静かに隣に座って、物珍しそうに色鉛筆を眺める彼を見ていると。
 本当に、現代に連れて来て良かったと思う。
 戦いしか知らぬこの人に。
 色々な事を知って欲しかった。
 世界は、貴方の兄だけが全てではないのだと。
 「……で、これが水色」
 「……前にお前が、俺に似合うと言っていた色か?」
 思うところがあると、絵を描く癖がついていた。
 空を。
 ただ、一面の空を水彩色鉛筆で塗り上げるだけの絵を。
 「うん」
 こっくり頷けば、横に座る彼の顔が凄まじい勢いで赤くなってゆく。
 「どうしたの?」
 「……や。なんでもない」
 「何でもないって、顔じゃないじゃない!」
 ぷぅと膨れて真っ向から見据えてやれば。
 私の視線から逃れようと、目線を泳がせながら言う。
 「この、水色が」
 「うん」
 「優しい色だったから……驚いただけだ」
 「まんま。九郎さんのイメージだと思うけどなぁ」
 透き通るようにやわらかい青。
 その癖、温かみも感じられる不思議な色。
 「……や! うん。お前は少し……慎みを持った方が良いと思う」
 「ええー。もうこれ以上、慎みなんて持ちようがないよぉ」
 今時。
 この歳で、付き合って半年以上経つのにキスだけなんてどうかと思う。
 私の年齢はさて置き、九郎さんは22歳だもんねー。
 いっそ、私と同じ位の年齢の方が良かったのかなぁ。
 そうしたら、私の事を。
 もっと深く、欲しがってくれた?
 「望美?」
 「なぁに?」
 私のフシダラな考えを見透かされてしまったのだろうか。
 苦笑する九郎さんの唇が、額に届く。
 こういうキスはよくしてくれるんだ。
 宥めるみたいな。
 お兄さんが、妹にするような、優しいキス。
 「大事なんだ……お前も。こうして、ゆったりと流れる時間も」
 「わかってる」
 「だから……焦ってくれるな」
 今度は、そのまま。
 頭を抱き締められて、よしよし。
 こうやって、彼が私を特別扱いしてくれるだけでも、嬉しいのは確かなんだけどね。
 
 向こうに、居た頃を。
 思い出しちゃうんだ。
 水色は、空の色。
 手を伸ばしても決して届かない。
 汚してはいけない、禁域の色。
 九郎さんが大好きだっだけど。
 絶対に受け入れてもらえないって思っていたからね。
 こうして、この人が私を選んでくれた今でも揺り返しがきてしまう。
 
 あまり、心配させたくないから。
 にっこり、笑うけど。
 焦ってくれるな、って言う。
 貴方の言葉を尊重するけれど。
 何時かは、ちゃんと抱き締めてね?




                                         END




 *あれぇ?
   もっと、ほのぼのするはずだったんですけど。
   まぁ、女の方がそっち方面成熟は早いと言いますし。
   相手は、鈍感九郎たんですし。
   実はむっつりな九郎たんとかも、楽しそうですが。
                                               2009/03/08




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