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 漫画 クレイモア
 
 八木教広氏によるジャンプコミックス。
 カテゴリは、ダークファンタジー。
 2009/04/19現在、『ジャンプスクエア』にて、連載中。
 妖魔を倒す為の組織の中で、最弱の主人公。しかし、現在は最強に着々と近付いている感じ
です。


 登場人物

  クレア
  ……主人公。
  クレイモアと呼ばれる妖魔打倒組織に、ただ一人自ら望んで入った存在。
  一時期保護していた少年の行方を心配し、妖魔との過酷な戦闘の最中にも彼を捜し続けて
  いる。

  ラキ
  ……クレアが、助けた少年。
  一緒に旅をしたこともある、クレアにとって大切な存在。
  妖魔の襲撃により行方知れずとなってしまった。



 ……そんな設定。
 Webで検索をかければ、詳しく出ています。
 アニメ化しましたが、コミックスとは随分展開が違う模様。
 当方はコミックス派です。


 そろそろ本編では、二人が再会しているんじゃないかと思うのですが、これはまだ再会できて
いないお話。


 付焼刃
 


 「まだ、だ。まだ、足りない」
 イレーネの好意で、その右腕を譲り受け、更には高速剣という技を身につけた。
 七年という潜伏期間の間。
 妖気を開放する事は許されなかった為、せっかく得た技も封印し。
 代わりに隊長であった、フローラの風切りを体得した。
 「そう、所詮。全ての人の技だ」
 高速剣も、風切りも。
 イレーネやフローラが己の才覚でも以って会得した技。
 クレアは、それを所詮人真似に過ぎないと思い込んでいた。
 真似しようと思った所で、二人の技がそんなにも容易い技ではなく。
 クレアだから、成し遂げられた奇跡だと仲間内からは見られているのだが、クレアは優しい
皆が自分を慰めてくれているのだと信じて疑わない。
 「自分の、技を身につけねば……今度こそ……ラキ……を、守らねば…」
 絶対に安全だと思う町に預けてきたはずなのに、戦火に晒された彼は、奴隷商人の手に
渡ってしまったという。
 何とか奴隷商人まで辿り着いても、ラキは買われてしまった後で、以降の消息が知れな
いのだと言われた。
 戦闘の最中に、それでもどうやら彼が生きているのだ、と。
 自分に会いたがっているのだ、と。
 やっと知る事が出来た時には、彼と別れて七年以上が経っている。
 「なのに、私は!」
 クレアは、跳ね上がった剣の切っ先の勢いを殺し損ねて、その頬に薄い切り傷を負う。
 舌打ちをして、剣を地面に突き立てると、ぐいと袖口で頬を拭った。
 「まだ、完全なオリジナルの技すら見出せない」
 イレーネから受け継いだ、高速剣を改良して、より自分の性質に合う物に昇華はさせた。
 それ、だけだ。
 「早く、早く。強くならねば。もっと、ずっと、強くならねば!」
 そして、今日もクレアは必死の形相で、深夜。
 一人、鍛錬を積む。
 己が必死で守ろうと誓っている幼い存在が、既に立派で勇猛な戦士として一人立ちし
ているのも、知らないままに。
 弱い、弱いと思い続ける己の心こそが、その成長の枷となっている事にも、気付かな
いままに。




                        
                                                     END




 *強くなる事に盲目的な余り、己の可能性を殺してしまっている彼女。
   付焼刃だと、思っている彼女の技は、昇華された彼女だけの技。
   それはそれで、完結したモノなのだと何時まで経っても気付けない。
   ぜひ、ラキ辺りに説得して欲しいものです。
   もっと長くするつもりだったのですが、さらっと終わってしまいました。
   突拍子もない肉弾戦(剣戟技)が好きな方は、ぜひに原作を!




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