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 アニメ エヴァンゲリオン  

 友人にカヲル君、お亡くなりの話を、ビデオで借りて落ちました。
 今では考えられませんがB5の本に2段組50枚とか書いてましたね。
 動かしたかったキャラが多かったせいもありますが。
 ここにきてやっと貞元さんのコミックスにカヲル君が登場したり、シンジ育成
ゲームが出たりと萌要素が増えてきて困ります。
 関連商品はあげるのも切りないですが、初心者向けには貞元氏のコミック
スと昨今出直したDVDの仕上がりが良いようです。

 *エヴァンゲリオン

 碇シンジ(イカリ シンジ)
 ……愛すべきキングオブへたれ。初号機パイロット。
    『逃げちゃ駄目だ!』の名セリフは修羅場時に活用され、広く愛されて
    いる模様。
 渚カヲル(ナギサ カヲル)
 ……数々のこっ恥ずかしいセリフを吐ける人物。仕組まれた子供。
    使徒でも有った彼を、シンジは35秒以上もかけて握りつぶしましたとさ。

 エヴァはキャラ解説やストーリー解説が難しいので、さらっと。
 この話は、パラレル設定。
 カヲルを殺せなかったシンジが、カヲルと二人で遁走している所と思ってくだ
さい。




 向日葵(ひまわり)
                                       

 ここまで来れば大丈夫だろう、と。
 思う側から追っ手がかかる。
 それは知っている人でもあったり、見知らぬ他人でもあったりした。
 方法も千差万別。
 泣き落としの懇願、カヲル君を殺すという馬鹿げた脅迫。
 中でも、父ゲンドウが『戻ってきて欲しい』と。
 手紙を寄越したのには苦笑を誘った。
 カヲル君と逃げているのでなければ、掌を返したように父の下。
 戻ったかもしれない。
 好きではなかった。
 肉親の情愛も薄かった。
 ただ、認められたかっただけなのかもしれない。
 初号機に乗っていた頃は、思えば父親の歓心を買いたかった気も、心の片
隅にあった。
 でも、それは昔の話。
 今の僕には、カヲル君以外何も必要としない。

 「シンジ君。大丈夫かい?」
 今日もまた、飄々と追っ手を血みどろの殺戮の海に投げ込んだカヲル君が、
僕を振り返って笑う。
 僕が慈しんでやまない、彼は。
 血塗れでも、とても綺麗だ。
 「うん。僕は大丈夫だよ。カヲル君の方こそ、怪我はない?」
 例え瀕死の重症を負ったとしても、彼が死ぬなんてまずはない。
 人とは違う体は、首でも落とされない限り、息を止めることはないだろう。
 「僕は、平気だよ」
 いつでも鮮やかに笑って、痛みなど感じない風にしているけれども。
 痛覚は僕らと一緒だ。
 死ぬほどの怪我も、死なないだけで痛いのには変わりない。
 「……ごめんね。僕のワガママのせいで、こんな目にあわせて」
 目をあわせるのもつらくて、地面を凝視しながら呟く。
 でも、僕には君を殺せなかった。
 何よりも大切な、親友以上の君の、命を奪う。
それだけはできなかった。
 全てを諦めて、僕に殺される事を望んだ君の、願いすら叶えてもあげられず。
 エヴァから下りてしまえば、普通の男子中学生に比べても非力な力では、
追っ手を屠る術すらも持たず、君の手ばかりを血で、汚して。
 「君が謝る事なんて、何一つないんだ。死ぬ事を前提に作られた子供がこ
  うして生きている方がおかしい」
 「おかしくなんて、ない!僕は君が生きていてくれて、本当に、心の底から嬉
  しいよ!」
 「そう言ってくれるのは、君だけだ。シンジ君」
 心の底から嬉しそうに微笑む、カヲル君を見るだけで。
 どんな苦難でも乗り越えられる気がする。
 「死ぬべき運命を与えられたからって、死にたいわけではないからね。特に
  君という存在を知ってからは、死にたくないと、そう思っていた」
 僕に向けられるカヲル君の笑顔は向日葵のようだ。
 大輪で鮮やかな。
 太陽に向かって、凛として顔を上げている風情がとてもよく似ている。
 何もかも達観した人は、こんな風に笑うのだろうか。
 「君と一緒に、生きる至福を得る為なら、僕は何でもするよ」
 「うん。僕も同じだ」
 この笑顔を守れるなら。
 守り抜けるなら、どんなに血にまみれた修羅道だとしても。
 僕は喜んで、歩み続けるだろう。




                                           END



*カヲル×シンジ
 や、本当にこれぐらいの長さで、書きたいものですよ(笑)
 さんざん書いたエヴァですが、いざ書く気になると、さらさらいけるもんですねー。
 逆の視点で、いちゃいちゃ話も書きたいかも。






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