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 ゲーム 女神異聞録 ペルソナ 

 アトラス発売 イラスト・金子一馬氏 メガテンシリーズの派生シリーズ 女神異聞録シリーズ 
 PSでプレイでき、只今廉価版が出ております。
 かなり戦闘シーンがたるかったり、ダンジョンの深さに泣きが入ったりしますが、やり込み要素
は決して低くはありません。

 お時間ある方には、ぜひあの、突拍子もない主人公の髪型を見てきて欲しいものです(笑)
 
 
 登場人物

 藤堂 樹(とうどう いつき)
 ……超鬼畜設定主人公。南条氏に激烈ラブ。同人誌的王道では受なんですけどねー。18歳。

 南条 圭(なんじょう けい)
 ……執事の山岡氏とのエピソードは涙を誘います。
    冷静沈着なつもりが、お金持ちお坊ちゃま気質なんですよね♪18歳。

 このお話は、彼らが聖エルミン学園在籍中のお話。日常の断片。
 ちなみに山岡氏は存命です。



 
連絡網
  
                                     
 つるるる。つるるるる。
 山岡に入れさせた芳香も豊かなウィリアムソン&マゴーのアールグレイを口に、読書をして
いた夜も十時、過ぎ。
 滅多には鳴らない自室の電話が音をたてた。
 カップをソーサーに置いて、部屋を横切ると、カフェテーブルに似たシンプルな造りの電話
台の上に置かれた受話器を持ち上げる。
 「もしもし、南条だ」
 『もしもし?俺です』
 「名前ぐらい名乗れんのか、貴様は」
 わざとらしく大きな溜息をついてやれば。
 『愛しい恋人の声も忘れたのかしらん』
 何とも間抜けた返事。
 誰の声を間違えても山岡と、こいつの声だけは聞き違えない自信があるけれど。
 「名前も満足になれない恋人なんぞ、持ったつもりはないがな?」
 絶対に言ってなんかやらない。
 『ったく素直じゃないなー圭ちゃんは』
 「ちゃんづけをするなと、いつも言っておるだろうが!」
 『そんな事で怒るなって!全く連れないお人』
 電話口でハンカチの隅でも噛んでいそうで怖い。
 「……用は何だ?」
 『もう。怒るなって。樹です。貴方のダーリン。藤堂樹ですってば』
 「最初からそうやって素直に名乗れば良いんだ。馬鹿者」
 『ダーリンを捕まえて馬鹿者とはなんです!訂正しましょうね。圭ちゃん』
 語尾が笑っているのがまた、小憎らしい。
 「愚か者でもいいんだぞ?」
 昔の私だったら、相手の挑発になんか乗らずに、用件のみを聞き出していただろう。
 や、私を挑発しようという輩が、そもそもいなかった。

 こいつと共に歩くようになって、覚えた事柄はたくさんある。
 どれもこれも些細なことばかりで、それこそ日常生活に役立つものなど多くは無いというのに。
 私は、単純にこいつと一緒にいるのが好きなのだ。
 損得勘定などとは、遠い、所で。
 『圭?どっかしたんか』
 他愛も無い会話の中で、沈黙は少なかったはずなのに、こいつは私の心の機微に敏感だっ
た。
 「どうもしない。いい加減用件を話さんか、貴様は」
 『はーい。明日の三時間目は体育から美術に変更だってさ。先生が倒れたんだと』
 伝達事項は極々普通の授業内容の変更。
 「おもしろい授業の振り替えだな」
 『ま、大人の事情って奴でしょ。とにかく体育着はいらんよって話』
 「わかった。それだけか?次の人間に回さないと」
 だからといって、余り遅い時間に電話をするモノでもない。
 次の相手に繋げようと切りかければ、慌てた声が届いた。
 『ああ、稲葉には先に連絡しておいたから、圭は俺ともそっと語らっていてくれていいのよん』
 ……道理で連絡網にも関わらず切る気配を見せないと思った。
 私は深く溜息をついて、受話器を握り直す、何時の間にか山岡が用意してくれたタオルで、
汗ばんだ耳元と受話器を拭う。
 「……毎日、話なんぞしてるだろう」
 『皆と一緒じゃんさよう。俺はもっと圭ちゃんと二人っきりで話したいの……恋人なんだからさ
  あ』
 「……馬鹿者が!」
 どうして、樹は恥かしいセリフを平気で吐けるのか、その神経を疑う。
 『しょうがないだろ?自分でも手に負えない部分があるくらい、お前に溺れてるんだから』
 この、私などより余程なんでもできてしまう人間が、私に惹かれているという事実には大変
満足している。
 『愛しているよ、圭』
 何時でも優しく響く睦言が、永遠に囁かれつづければいいのにと、愚かなことを考えてしまう
程度には。
 「……私もだ」
 私も、藤堂樹という存在を、とても。
 愛している。
 『こればっかりは、他の人間には回せないよな』
 珍しく照れた風に笑う樹の、その笑顔を思い浮かべながら私も、ゆるやかな微笑みと口の
端に浮かべた。




                                       END




 *女神異聞録ペルソナ 主人公南条

 うわー。甘い。何だか鬼畜樹たんとは思えないよ!
 こんなに初々しいこともできるんだね、樹。
 ってーか、圭たんもめっさ甘く受け止めてますよ。
 お互いが甘くないと、べったべたにはならないんですね。しみじみ、




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