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 今度は満足げに頷いた、鋼のが椅子から腰を上げて私の両膝に手をかけると、大きく開か
せた。


 「信じられないくらい犯しまくってんのに、あんたのここって何時でも清楚な感じがする。
  きゅっと締まってて、誰も受け入れた事無いような初いトコ、って気がさ」
 まじまじと見つめられれば、更に羞恥は極まって足を抱える腕が、かたかたと震える。
 「このまま、ぶち込むと痛いばっかだからな。ジェルはどこ?」
 「私が、自分で……」
 「いい。今日は俺がほぐしてやる。丁寧に、よ?」
 「……一番下の引き出しの、奥」
 秘所の周辺を指の腹でなぞりながら、引出しを開けて覗き込んだ鋼のは、目的の物を取り出
した。
 「部下に犯されるために、自分の机ん中に小道具仕込む上官ってーのも無茶苦茶だよな」
 チューブに入ったジェルを掌に結構な量を搾り出した鋼のは、己の掌に馴染ませるようにして
擦り合わせる。
 生身の指が、そそり立った肉塊に絡み、機械義手の指が一本、秘所に差し入れられた。
 「や!つめ、た……い…」
 「いてーよりも、いいだろうがよ。だいたいあんたの体が熱すぎるんだよ。ほら、中だってぐず
  ぐずじゃん」
 にゅぷにゅぷとジェルに包まれた機械義手を、すべらかに迎え入れてしまった秘所からは、
ひっきりなしに淫音が発せられた。
 機械義手特有のひっかかりが、イイ所に触れて、たまらずに何度も首を振る。
 乳首を食まれて、吸われる間にも肉塊が扱きたてられる。
 奴隷の振りをして、そんな淫靡な技を鋼のに教え込んだのは、他の誰でもないこの私だ。
 三点責めなんていう言葉を鋼のは知っているのだろうか?
 「鋼、のっつ」
 「何だ。もうギブかよ。堪え性がねーなぁ」
 「だって、中っつ!」
 肉塊からは既にたらたらと透明な液体が零れて伝い、いくのも時間の問題。
 嘗められ、と気に歯を立てられる乳首は、じんじんと痺れて、吹きかけられる息に出すら、
甲高い声を上げて悶える始末。
 秘所に潜り込んできた指は、何時の間にか二本に増やされていたが、太さと、長さが足りない。

 「も、欲しい」
 「ナニが?」
 「鋼のの、これが、さ」
 爪先を伸ばして、ズボンの上を軽く撫ぜ上げる。
 既に完全に形を変えた肉塊は、足先にですら伝わってくる熱を溜め込んでいた。
 この熱が、全て私の中に注がれるのかと思うと、それだけでいってしまいそうだ。
 「これねぇ?俺なんかのお粗末なもんじゃなくってさあ。もっとイイもん持ってる人間に頼めば
  いいのに。あんたが本気になったら、落ちない人間なんかいねーだろう。いっそ大総統とか、
  さ」
 「ふふふ。私の身体はそこまで、いいのかね?」
 「……いいんじゃねーの?俺、あんたの体嫌いじゃないぜ。何より、言葉より心より、ずっと素
  直だからな」
 君の思い描く通りに悶えるのが、都合が良いのではなくて?
 という、嫌味は勿論、喉の奥で飲み込む。
 「でも、私は君がいいんだ」
 人体錬成に関わるくらい闇を知る、君が。
 いつか私もそこへ行くかもしれないから。 
 「ああねぇ。親父より若いのがイイってのは定番らしいからな。親父臭せー話」
 「……君が、いいんだけどねぇ」
 「うるせーよ。ぶち込んでやるから、大人しく喘いでろや」
 かちゃかちゃとせわしなくベルトが外される音が響く中、私は鋼のが入り込みやすいように
大股を広げたままで、様子を見守る。
 下ろされたズボンの中から現われたそれは、完全に成人している男性性器とは遠い幼げ
な風情を保っている。
 が、大きさだけを見るのならば、決して小さなモノではない。
 むしろこのまま順調に大きくなれば、数多の女性を喜ばせる肉塊になるだろうと想像がつ
く、将来有望なナニ。

 私相手に猛らせてなどいないで、女性に興奮できる性質なら良かったのに。
 や?
 無理矢理強請って、して、貰っているのだから、本当は。
 物柔らかな女性の方が良いのだろう。
 軍部の闇の中では、私が鋼のを手なずけているという噂しか伝わってこない。
 子供好きな女性からも、男性からも落としてみたいという話は多く聞いても、射落としたとい
う話は一度も耳にはしなかったから。
 「ほら、集中しろって。ったく。最中ぐらい俺のナニのこと考えてろよ。可愛くねーったら」
 「この年で、可愛かったらああっつ!」
 シャレにもならんだろう?という言葉は、私の頭の中。
 映画の字幕のように流れていった。
 喉の奥から人が発するのとは思えない、原始的な。
 獣じみた声が放たれる。
 これが、自分の声だとはとても、とても。
 信じたくはない。
 紛れもなく、縋る色が、混じっているから。
 鋼のもそれに気が付いているのだろう、挿入は完全に開かれてもいないのに奥の奥まで捩じ
込んでくる。
 「あ!あ!あ!あ!」
 体内から刻まれる不快感。
 声でも出していないと、とんでもない事を口走ってしまいそうだ。
 「って。あーもう。濡れねーのはやっかいだな。奥まで入れんの、こっちがきっつい」
 根元がぎりぎりと締め付けられては射精もままならないどころか、痛いだけだ。
 鋼のの額にもびっしりと汗が浮かんでいる。
 「ほら、もっと感じろって!」
 「無茶、を言う。キスの一つも、してくれないのかね?」
 「は!恋人同士でもあるまいし。何であんたとキスなんか」
 何もそんなに吐き捨てるように言わなくてもいいと思うのだが。
 腕を伸ばして首に回して、引き寄せる。
 バランスを崩しかけた身体は、褥代わりの机が支えてくれた。
 背中が引き攣れるのを耐えて、口付ければ、眉根を寄せて心底から嫌そうにする癖に、薄く
開いた唇に舌が入り込んでくる。
 熱心としか思えない口腔への愛撫と、秘所への出し入れは同時に行なわれた。
 舌先と中が同じタイミイングで震える。
 「……ああ、確かに。この方が動きやすいっちゃあ、動きやすいな」
 ジェルとようやっと分泌を始めた液体が交じり合って、派手な交接音を立てた。
 鍵を閉めていても、ドアの側に立って聞き耳を立てれば聞こえてしまうのではないかという、
激しさだ。
 私の身体が開かれて、鋼のが一番元気な状態の時に、やっと届く個所。




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