「Rail Magazine 鉄道写真1998」

 

 広田尚敬氏の草軽鉄道の写真があり、手に入れたいと思っていた。その中に広田氏とレイル・オンとの鉄道写真に対するトークがあり。これはかなりおもしろくて興味深かった。というのも、レイル・オンという写真団体は近年鉄道紙面で精力的に活動していることは知っていたし、その作品には少なからず共感し、感嘆し、面白いと思っていた。その作品に対して広田氏はかなり辛口の批評をされ、明らかに予想以上の酷評にとまどうレイル・オンのメンバーのトークが綴られているからであった。このことはレイル・オンの作品に類似した自分の作品をも、否定に近い形で評されているわけで、「ガツン」とやられたというくらい、自分は考えさせられてしまった。

 とにかくのっけから、「夜景は誰が撮ってもきれいだから、もっと昼間にテーマを見つけるべきだ」とあるから、夜景の大好きな自分はとまどうばかり、その後も「なるほど」とか、「そんなもんだろうか」といったトークが続く。今でも何度か読み返してみたりする。なんか無性に写真が撮りたくなってくる。そう思ったら、少し気が楽になった。プロではないんだし、鉄道が好き。それでいいんではないかと。肩の力を抜いて、好きな電車が目の前にいて、気楽に撮る。そのときその記事のいろいろが頭の隅にあって、自由な構図を楽しめる余裕さえあれば、これから先、また写真が楽しくなる気がした。

 

(2001-3記)

 

 

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