「陸の孤島、埼玉」

 

 九州などに行くと痛切に感じるのであるが、埼玉ほど飛行場の不便な地域はないのではと思う。九州では1県1飛行場を達成しているし、福岡空港に至っては地下鉄で15分足らずでついてしまう便利さだ。さすがにあれほど市街地に隣接していると大丈夫だろうかと心配してしまうが、実際仕事で利用する機会の増えた今では、うらやましい限りだ。そんな中、関東では羽田の国際化で千葉ともめているし、私が住む埼玉に至っては飛行場はないのである。そのアクセスといったら、重い荷物を抱えて列車の乗り換えを何度もしなくてはならない。軽く2時間はかかる。北海道でも飛行機で90分だから、空港から自宅までの方が時間がかかるわけである。苦痛の何者でもない。確かに騒音問題はあるし、入間基地の近くである自宅では、離着陸の騒音は時にはかなりのものになる。神戸などでは空港建設を反対している報道を見た。たしかに羽田ほどの過密路線になってしまうと、それはたまらないものであろう。しかしそれをふまえた上でも、やはり飛行機の利便性は捨てがたいものがある。

 加えて空港へのアクセスは悲惨なものがある。乗り換えを何度もし、そのたびごと重い荷物を引きずらなくてはならない、通勤時間帯などに引っかかろうものなら、それこそ大変である。「東京」はもはや便利な都市とは言い難い、複雑で不便な場所と化しつつある。自分は思うのだが、山手線などの環状線を第三セクターにして、そこに各路線が総合乗り入れし、空港などにスルーで入っていける様にすべきではないだろうか。空港に限らず新幹線にしてもそうだ、乗り換えは1回で各地に移動できるようにすべきなのである。

 だれもが不便と思っていると思うのだが、当面解決策が出る見込みはない。モノレールにしろ、新しい京急空港線にしろ、何であんなに不便なのであろうと思う。埼玉から空港へ、私の悩みは解消されそうにない。

 

 

2001-3

 

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