「東武鉄道 5700系」 

 

 

 

 

 いざカラーを探したら、ほとんどなかった。最後まで優等列車に活躍していた。定期運用がなかったので、撮影はめんどうであった。

 

 

 あるとき職員の方に話を伺うと、ファンからしてみれば名車であっても晩年のこの車両は、夏は暑いし、冬は寒い、あまり乗りたくない電車であったらしい。浅草などで団体客を案内すると、皆「けごん」などの特急車の方へ歩いていってしまう。慌てて5700系へ連れてくると必ず不満の声が上がるそうだ。それくらい当時にしても時代遅れの電車であった。

 

 

 そんな一般客の不満はさておき、我々にはこれほど魅力的な電車もなかった。きれいに並んだ狭窓の2扉の美しい車両など、関東の私鉄にはなかったからである。スペーシアのデビュー後、間もなくして、華々しいさよなら運転もなく、ひっそりと引退してしまった。

 

 

 

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