デワ5000は言わずと知れた名車5000系を、営業線引退後に事業用に改造したものである。2004年引退の噂の出る中、早朝のため撮影に行けずに先送りし、もうダメかと思われあきらめかけてた折り、若葉台への回送があると連絡が入り、時間もわからずダメもとで出かけたものであった。

　高幡不動に着くと、モノレールの駅からデワを撮影することが出来た。パンタが上がっている。やはり本日動くのは間違いないらしい。

　現場での聞き込みで、13：30頃高幡不動を出ることがわかった。合流したHさんと車で追いかける。その姿は慣れ親しんだ5000系の営業時代を思うと、お世辞にもかっこよいものではなかったし、胸躍るものでもなかったが、現役であると言うことがかけがえのないものであると思えた。

　後から知ったことであったが、この回送は若葉台への廃車解体のための走行であって、自ら解体に向かって歩を進めていく姿は、今から思うと誠に切ないシーンであった。

　今暫く地方鉄道に譲渡された5000系によって、この姿は楽しめるものの、往年を知る者にとっては、アイボリーにエンジのこの塗装が見られないストレスが、日ごと募ってくるに違いない。きっとそれが名車というものの証なんだろうと思う。

（2004年8月撮影）