「蒲原鉄道ED1」

 

 

 1930年日車製、2000年5月で70歳を目前にして彼はその使命をこの鉄道の終焉とともに終えようとしている。

 いつも車庫で待機する姿を見るのみだった。フォトランの情報が入り、またとないチャンスと関越を走り抜けた。五泉に現れると珍しい機関車の出現に、帰宅途中の小学生は大喜び、並んで入れ換えを見つめている。小学生だけじゃない、そう言っている自分が一番ニコニコなのだ。定期列車の前に着くと珍しい編成に、「乗っていいのか?」と尋ねる人もいる。短くなったと言え、やはりこの鉄道はいい。本当に廃線なのか。時代の趨勢とは言え、こんな風景はやはり消え去るのみなのだろうか。

 

 

 時間が来て、列車は出発していった。たった1往復の夢列車は、僕の大好きなイメージそのままに、JRの構内からカーブを描いて消えていった。あっ、ドア開けっ放しですよ。正面から撮る人ばかりじゃないんですけど・・・。

 

 

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