「神戸電鉄 デハ101」

 

 保存リストに電化開業時の生え抜き「デハ101」が保管されているとあり、一度見てみたいと思った。

 神戸出張の折り、車庫に向かった。ただ車庫内は通常見学禁止となっており、遠方からということで特別に数分の見学が許された。

 案内されて現れたデハ101は、おおよそ私の知る末期の美しい電車とはほど遠い、かなりの改造をされてたたずんでいた。窓のHゴム化。尾灯の撤去。前照灯のシールドビーム化。側窓の改造。茶色塗装化。ノッチも2ノッチしか入らないとかで、これも構内入れ替えであれば十分らしい。

 

 

 残念ながら停車位置がことのほか悪く、撮影はどうにもならなかった。めげずにパンタの上昇を頼んでみるが、これも面倒だといわんばかりの不可。もはやこれまでと3枚ほどカットして車庫を後にした。なかなかこれない場所だけに1回で決めたかったものだが、いつかチャンスは来るだろうか。復元されるときは来るだろうか。案内した方はこの電車の形式も知らないらしく。「それがデハ101かわからないが、とりあえず古い電車はいる」という感じだった。

 会社側はここにこの旧型車がいることがわかると、マニアが無断で入ってきたりするので、公表したくないと言うことだった。ならば車庫脇まで出てきたところを押さえたいものだが、稼働率はかなり悪いのではないだろうか。何もかも残念な話である。

 

 

 

 

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