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  2002年 2月15日 朝刊 1面
沖縄のさんご礁世界一/貴重生物最多の75種が生息/国際研究グループ/破壊の危機に保護訴え

 【ワシントン14日共同】世界の海で最も緊急に保護が必要とされるさんご礁として沖縄周辺など十カ所を米ハーバード大や、英国、カナダなどの国際研究グループが選定し、沖縄周辺は貴重な生物が最も多くすむさんご礁であることが分かったと十五日付の米科学誌サイエンスに発表した。グループは「沖縄を含め多くのさんご礁が破壊の危機に直面している」と警告。国際的な保全の取り組みを求めた。

 研究グループは、魚介類やサンゴ、節足動物など三千二百三十五種類の生息状況を分析して、生物種が豊富なさんご礁十八カ所をリストアップ。この中から環境破壊の脅威が大きく、緊急の保護対策が必要な地域として、沖縄周辺、フィリピン、インド洋北部、紅海など十カ所を選んだ。
 これらの場所は「生物多様性のホットスポット」と呼ばれ、十カ所の合計面積は海全体の0・012%でしかないのに、生息地が限られた貴重な生物種の54%が生息していた。特に、沖縄のさんご礁で確認された貴重な生物は七十五種と、十八カ所中で最も多かった。
 いずれの場所でも陸上からの土砂などの流入や漁業活動などの影響を受けて、環境破壊や種の減少が急速に進んでいるという。
 研究グループの一人で米環境保護団体コンサベーション・インターナショナルのティモシー・ワーナー博士は「これらのさんご礁に自然保護区を設定しないと、近い将来、貴重な海の生物の多くが絶滅する」と警告している。
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