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  2002年 2月 7日 朝刊 1面
住民投票条例案を否決/泡瀬沖合埋め立て/沖縄市議会賛成下回る/市、早期着工要請へ

 【沖縄】中城湾港泡瀬沖合埋め立て事業で、沖縄市議会(新里八十秀議長)は六日午後、臨時議会本会議で同事業の賛成・反対を問う住民投票条例案を賛成少数で否決した。議長を除く議員三十二人(欠席二人)のうち、野党市議七人が賛成した。同条例案の否決は昨年七月に続き二度目。仲宗根正和沖縄市長は七日、上京し、尾身幸次沖縄担当相に会い、議会の結果報告を兼ね、早期着工を要請する。(26、27面に関連)

 臨時会閉会後、提案を請求した泡瀬干潟・住民投票市民の会の漆谷克秀共同代表は「予想していた結果。住民投票の意義についてあまり議論されなかったのが残念だ。今後、埋め立てに反対の立場から運動に取り組み、再度、住民投票実施を請求するかどうか、話し合っていきたい」と述べた。
 冒頭、仲宗根市長は「東部海浜開発計画は、議会、行政および市民団体が一体となって推進している事業」と強調。「住民投票はあくまで議会制民主主義を補完するものでこの事業については条例を制定する必要はない」との認識を示した。
 質疑は泡瀬干潟の保全や市民負担の見通しに集中。この後の討論で条例案に反対の議員は「市民を引き裂く住民投票はやるべきでない」などと主張。賛成議員は「干潟保全や市民負担に疑問は多い。市民の声を聞くべきだ」と住民投票の必要性を訴えた。
 同条例案は、泡瀬干潟・住民投票市民の会が市民六千九百九十一人の有効署名を添え今月十八日、市に本請求した。昨年五月には「泡瀬干潟を守る連絡会」が同事業の凍結・推進を問う住民投票を求め、条例制定の本請求を行ったが、七月の市議会臨時会で条例案は否決された。
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