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  2002年 1月31日 朝刊 4面
声/赤土問題は終わらない/宇井 純/(大学教授)

 伝え聞くところでは、沖縄県は赤土問題について調査研究は十分なされたので、これからは対策実行の時代だから、衛生環境研究所の赤土対策室は水質室に統合するという計画を進めているという。赤土流出防止基準委員会に出席して、県行政の認識の甘さにあきれて脱退した私は、この報に更に接して驚いた。一年近くの委員会の進行の中で、ほとんど唯一の中身のあるデータを出したのはこの研究室であった。後の時間は机上の空論に費やされたのが正直なところであった。
 今後、新石垣空港や泡瀬埋立、名護東海岸の代替基地など巨大な土木工事に直面している沖縄にとって、赤土問題の調査研究はますます大きくなることは間違いない。これまでも長年の調査研究の成果がこの分野では日本で一番集まっていて、全国から頼りにされているそうである。稲嶺知事さん、今はどんな政策をお持ち合わせなのか、赤土問題はもう研究がいらないのか、一度ゆっくりお話を聞かせてくれませんか。
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