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  2001年 9月30日 朝刊 28面
自然保全の法措置を/保護団体らフォーラム/報告受けアピール/東京

 【東京】「いま、沖縄の自然があぶない!」と題したフォーラム(八重山・白保の海を守る会、北限のジュゴンを見守る会主催)が二十九日午後、東京都千代田区のシニアワーク東京で開かれた。
 自然保護団体の関係者ら約八十人が出席。(1)沖縄に残された貴重な自然を保全するための新たな立法措置を含めた検討(2)さんご礁に取り返しのつかない影響を与える新石垣空港カラ岳陸上案の白紙撤回(3)ジュゴンを絶滅の危機に追いやる辺野古沖への新たな米軍基地建設計画の撤回(4)泡瀬干潟を破壊する東部海浜開発の白紙撤回―などを求める集会アピールを採択した。
 伊藤嘉昭・元沖縄大教授による「琉球の自然―その特徴と重要性」をテーマにした講演の後、白保のさんご礁、ジュゴンの海、泡瀬の干潟、やんばるの森に関する現場からの報告があった。
 会場の質問を受ける形で進められたパネルディスカッションで、生島融さん(八重山・白保の海を守る会)は「地元住民の25%が公共事業に依拠しているため、カラ岳陸上案が強引に進められている」と指摘。玉城美智子さん(泡瀬の干潟を守る連絡会)は「開発に反対でも、あつれきがあって声に出せない人がいる。何としても埋め立てを阻止したい」と強調した。
 平良克之さん(沖縄・海・やんばる)は「林道が多目的化し奥深くまで人が入ったことで自然が破壊されている。その責任を問いたい」、竹下信雄さん(北限のジュゴンを見守る会)は「定置網などにかかって死ぬジュゴンがいるので、早急に漁業被害の実態を調査して対策を講じるべきだ」などとそれぞれ述べた。
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