声/ヒジキの憂うつ/具志川市 海勢頭孝一/(62歳)
中城湾の一角に繁殖しているヒジキが、風前の灯だ。ヒジキ漁で生計を立てている人たちはどうなるのだろう。
海辺の大なべでゆでるヒジキから立つ水蒸気の煙が、いつまで見られるだろうか。
私たちが遊び場にしている泡瀬干潟も、消滅の危機にある。心配だ。私たちを楽しませてくれる干潟は、そう何処にもあるものではない。
ヒジキの南限は、沖縄の中城湾。昨今のニュースは、ヒジキに憂うつなものばかりだ。地球温暖化でヤブ蚊が東北まで北上したと伝え、東京湾の海ほたる人工島にもソテツが植栽され埼玉県でも発見した。この事の延長線上に、ヒジキの危機がうかがわれる。
泡瀬干潟が埋め立てられたら、ヒジキの命運と私たちの遊び場が消滅してしまう。
「美ら島を創る」を冠して活動するスピーカーのこだまは、強者論理・せつな的時代展望の声として水面から迫ってくる。 |