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  2001年12月27日 朝刊 22面
泡瀬埋め立て/住民投票を否決/環境めぐり対立/賛否両派が署名運動展開

 【沖縄】中城湾泡瀬沖合埋め立て事業は一九八七年の計画策定から十四年を経て取り巻く状況が大きく変わった。全国的に大型公共事業が見直される中、不況の影響で土地利用への疑問、自然保護団体からの強い批判の声が相次いだ。七月、公共事業の是非を問う住民投票条例案が県内で初めて提案。賛成少数で否決されたが、早ければ来年一月末にも再提案される。
 県内十数団体でつくる泡瀬干潟を守る連絡会が一月、発足。干潟の重要性を訴える運動を開始した。四月には住民投票条例制定を求める署名運動を展開。七月、条例案は沖縄市議会に提案されたが、「市民合意は十分」と主張する市議が多数を占め、条例案は賛成少数で否決された。
 一方、国は埋め立てを八月に着工する予定だったが、藻場の移植を優先させる環境面の配慮から着工を延期。移植実験が遅れる中、早期着工を求める市内の推進派「美ら島を創る市民の会」と、住民投票の実施を訴える反対派「泡瀬干潟・住民投票市民の会」がそれぞれ、署名運動を展開した。
 焦点になったのは泡瀬干潟の保全と市民合意で、両派の意見は真っ向から対立。推進派は賛同署名八万余を集め国に提出。一方の反対派は七千余の署名を集め住民投票条例提案の法的要件を充たし来年一月に制定を本請求する。
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