琉球新報社ホームページ

琉球新報購読受付
新聞記事トップ

泡瀬の干潟トップ
  2001年12月 9日 朝刊 25面
泡瀬干潟を観光資源に/住民投票条例制定シンポ/エコツアーを提起/沖縄市

 【沖縄】泡瀬沖合埋め立て事業の是非を問う住民投票条例の制定を目指す「泡瀬・干潟住民投票市民の会」は八日、沖縄市のかりゆし園で「共に語ろう沖縄市を 泡瀬を」をテーマにしたシンポジウムを開催した。元アナウンサーの新屋敷二幸共同代表を含む、市民などの代表六人が意見を述べ、干潟の大切さや住民投票の必要性を訴えたほか、「干潟を活用したエコツアーで観光客誘致を」「環境教育に役立てよう」など、観光や教育の資源として、干潟の新しい可能性を提起した。
 新屋敷共同代表は「歴代市長が推進してきた事業だが、物に囲まれたこの時代に、開発そのものの発想を変える必要がある」と強調した。
 FMチャンプラの新崎康浩社長は「埋め立て計画は市民不在で進められている。疑問の声を上げたくても、推進派の組織力で本音が封殺されている」と危機感を示した上で「市の活性化から、反対派も代替案を示すことも大切」と述べ、観光客の誘致に干潟を活用したエコツアーを提唱した。
 「泡瀬の干潟で遊ぶ会」の砂川かおりさんは「サンフランシスコでは行政と協力し、環境非政府組織(NGO)が出張授業や教科書作成に携わっている」と紹介。その上で「息の長い運動を続け、地域に干潟を貴重な資源と認識させよう」と主張した。
 元学校長で、泡瀬干潟で貝などを十年間採り続けている石川栄喜さんは「推進派は『泡瀬干潟の貝は食べられない』と言うが、干潟のことを分かっていない。貝を採るため、今も多くの人が訪れている」と述べた。
  関連情報