琉球新報社ホームページ

琉球新報購読受付
新聞記事トップ

泡瀬の干潟トップ
  2001年11月20日 朝刊 2面
泡瀬干潟埋め立て問題/推進派/元県議西田健次郎氏/産業活性化の核に/住民投票の必然性ない

 ―東部海浜開発に賛成の理由は何か。
 「沖縄市の若者の失業率は20%近くに達している。雇用の場の確保と経済活性化のため、産業の核が必要だ。北部は普天間代替施設の受け入れ、浦添市は那覇軍港の受け入れによる国の振興策があるが、沖縄市・中部は何もない。東部海浜開発を推進しなければ、座して死を待つだけだ」
 「市面積の40%を基地が占める沖縄市は、基地経済脱却を目指して中城湾港新港地区の開発を進めてきた。東部海浜開発は関連事業。泡瀬干潟の90%は保全される。一部の情緒論で事業を中止するわけにはいかない」
 ―住民投票を経ないまま工事を強行すると、混乱しないか。
 「行政が判断に窮し、住民が真っ二つに割れる事案なら住民投票の必要性はある。しかし、沖縄市議会は過去三回、事業推進を全会一致で可決した。今さら反対では決議は無駄だったということになる。行政も粛々と事業認可を受けており、手続きに瑕疵(かし)はない。住民投票の必然性はない」
 ―議会、行政と市民意識の間にかい離はないのか。
 「議員は地域代表として予算、事業をチェックしてきた。反対に回った議員は自己批判すべきだ。行政も説明会を開き、広報にも掲載した。今さら住民への説明が不足していると言われては行政も仕事ができない。立ち止まって考え直すような事業ではない」
 ―この開発事業は中心市街地の空洞化を促進する恐れはないのか。
 「市街地の空洞化は時代の流れであり、モータリゼーションの結果だ。市街地活性化の策は尽きた。泡瀬に産業拠点を形成し、道路網の整備によって中心市街地と有機的に結び付けるしかない。東部海浜開発は市全域に波及効果をもたらす」
 ―経済状況は厳しい。企業誘致は大丈夫か。
 「県は十年後の観光客数を七百万人と想定しているが、ホテルが不足している。国際リゾート拠点の整備が必要だ。千b級のビーチを整備すれば企業は来る。今こそ沖縄市のチャンス。不況の中でも積極的に闘いを展開すべきだ」
  関連情報