「住民投票」と「賛同」訴え/「市民合意」の行方占う/泡瀬沖埋め立て問題/賛否両派が署名活動
【沖縄】埋め立て承認・免許取得から十二月で一年になる中城湾港の泡瀬沖合埋め立て事業は、具体的な着工時期が不透明なまま、市民合意をめぐる署名運動が本格化する。事業の是非を問う住民投票条例案が七月に市議会で否決され、八月には埋め立て事業主の国が環境に配慮し工事を一時中断した。これを背景に、再び住民投票を求める動きと、早期着工を訴える運動が浮上。両派の署名呼び掛けは、埋め立て開発の在り方を問い直すことになりそうだ。(2、3、31面に関連)
沖縄市は十九日午後、市役所で「大事なことはみんなで決めよう住民投票市民の会」の漆谷克秀共同代表ら三人に対し、事業の推進・反対を問う条例提案に必要な署名を集める代表者の資格証明書を交付した。これにより同会は、法が定める十二月十九日までの一カ月間を期限に署名集めを開始した。署名を集める役割を担う受任者三百六十四人分の名簿も市に提出。前回の九千四百余を上回る署名数が目標だ。
一方、事業の早期実現の賛同署名を集めている「美ら島を創る市民の会」(比屋根清一会長)は十八日、戸別訪問のローラー作戦を初めて実施。運動員約五百人が市内の市営、県営団地を重点的に回った。十九日現在で署名は市内二万五千、市外三万五千の計約六万人。 |