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  2002年 1月19日 朝刊  25面
泡瀬埋め立て問う住民投票/条例制定を本請求/市民の会

 【沖縄】中城湾港泡瀬地区埋め立て事業の是非を問う住民投票の実施を求めている「大事なことはみんなで決めよう住民投票市民の会」(漆谷克秀共同代表)は十八日午後、沖縄市(仲宗根正和市長)に対し、条例制定を本請求した。同事業の是非をめぐる住民投票条例の制定請求は今回で二度目となる。全国的にも干潟保全を求める動きが活発化する中、二月に開かれる市議会での審議が注目される。

 この日、市役所を訪れたのは漆谷代表と市民の会のメンバー六人。段ボール三箱分の署名簿と条例案を提出。海外出張で不在の仲宗根市長に代わり、応対した稲嶺盛隆助役に手渡した。稲嶺助役は「手続きを踏んで、市長に伝えたい。前回を参考にしながら、市長の考えを付けることになる」と述べた。
 同会が集めた署名総数は七千六百七十六人。うち有効署名数は六千九百九十一人と条例制定請求に必要な有権者の五十分の一(約千八百人)を上回った。提出した条例案は、同事業について「市民の賛成・反対の意思を明らかにし、本市行政の民主的かつ健全な運営を図ること」を目的としている。投票方法は事業に「賛成」「反対」の二択。
 提出後、漆谷代表は「市議会の(推進派多数の)勢力は変わっておらず、結果は予測できる。しかし、少しでもいい方向に向いてくれるものと期待している」と条例制定を訴えた。また「20%の干潟が失われることで、自然環境がどうなるかも議論されていない。財政負担など計画自体に疑問が残る」とも述べ、計画の実効性に疑問を示した。
 同会は市議会開会までに、請願署名の収集や推進派議員に文書などで条例制定の理解を求める。
 本請求を受理した沖縄市は今後、仲宗根市長が意見書を添えて市議会に提案。二月七日にも臨時議会が開かれ、審議が行われる。
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