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  2002年 1月13日 朝刊 25面
体験型ツーリズム提案/身近な資源を教育に/守る会シンポ/泡瀬干潟

 【沖縄】シンポジウム「渚のエコツーリズムと地域振興」(主催・泡瀬干潟を守る連絡会、南伊豆海洋生物研究会)が十二日、沖縄市農民研修センターで開かれた。埋め立て計画が進む泡瀬干潟を例に、「地域の特化した資源を賢く利用しては」など、自然環境を生かした地域振興の在り方について提言が出された。会場には学生や家族連れなど百七十人余が詰め掛けた。

 放送大学の浜田隆士教授は、泡瀬干潟を「生物の種類も豊富で、水の出入りが頻繁で酸素供給量が多い極めて特異な場所」と評価した上で、「地域の自然を理解し、賢く付き合うことが必要」と体験型のエコツーリズムの導入を提案した。
 南伊豆海洋生物研究会の相生啓子会長は、同研究会が行っているシュノーケリングによる自然観察活動や外国の事例を紹介。「自然はどんな教科書よりも優れている」と身近な資源を活用した環境教育の必要性を訴えた。国立民族学博物館の秋道智彌教授は、干潟を特化した資源として地域振興につなげることを呼び掛けた。
 また泡瀬干潟埋め立て事業で国が実施している機械による海草移植実験については、「生き物をそれが生存していない場所へ移すというのは安易な発想」「時間をかけて作られた海草を、生育していない所に移すのは疑問だ」などの指摘が出された。
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