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  2001年 9月30日 朝刊  27面
沖縄の自然が危ない/都内でフォーラム
開発やめ自然保護を/政府、県へアピール


 白保のさんご礁、ジュゴンの海、泡瀬干潟、やんばるの森―と沖縄の自然を総体的に守ろうとフォーラム「いま沖縄の自然があぶない」が二十九日、都内で開かれた。沖縄の自然保護を訴える市民団体、八重山・白保の海を守る会と北限のジュゴンを見守る会が主催。約百人が参加し政府や県に対し(1)沖縄の貴重な自然生態系保全に向けた条例制定や立法措置の検討(2)新石垣空港カラ岳陸上案―など四件の開発行為中止を求める集会アピールを採択した。

 伊藤嘉昭元沖大教授(生態学)が講演で沖縄の自然の重要性を訴えたほか、主催二団体と「泡瀬の干潟を守る連絡会」「沖縄・海・やんばる」の県内二団体が現状報告。貴重な絶滅危ぐ種を次々に挙げ、新石垣空港建設や米軍普天間飛行場代替施設、東部海浜開発、米軍ヘリパッド建設―などの中止を訴えた。

 パネルディスカッションでは「豊かな自然を失えば豊かな心も失う。まず住民投票条例制定のために支援を」(泡瀬・玉城美智子さん)「開発で壊れた森を元通りにする公共事業を入れ、地域の人が一緒になって自然を守る活動を」(やんばる・平良克之さん)「琉球全体を世界自然遺産に登録を」(伊藤元教授)「ジュゴンの漁業被害の実態調査が急務」(ジュゴン・竹下信雄さん)などの提起があった。

 主催者でジュゴンを見守る会の鈴木雅子さんや白保の生島融さんは「テレビ番組『ちゅらさん』で美しい沖縄の海が毎日流れたが、沖縄の自然が直面する裏側も伝えなければならない。沖縄の将来に残すべきは自然の豊かさ。個別の保護運動をつなぎ大きな力でアピールしたい」とフォーラムの意義を強調した。
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