[写ばダヴァ'01]/沖縄の原風景/来て見て感じて、そして考えて
埋め立て計画の行方が注目される沖縄市の泡瀬干潟。まだ行ったことのない人は一度、潮の引いた時間に堤防を降り、沖に向かって歩いてみてほしい。潮干狩りができる砂れき質の干潟、稚魚や貝類などをはぐくむ海草藻場、「ユニ」と呼ばれる白い砂だまりなど、多様な表情に出合えるはずだ。かつて沖縄のどこにでもあった風景が残る美しい海辺。これらを失う代償を払ってまで、開発事業が必要なのかどうか、沖縄市民でない人も考える必要があるのではないだろうか。(写真部・田嶋正雄)
(写図説明)海の草原・沖に広がる海草(うみくさ)場。昨年、現地を調査した米国の専門家は「世界で最も素晴らしい生息地の一つ」と絶賛した。埋め立てに伴い、移植が予定されているが、成否について疑問の声も多い(偏光フィルター使用)
(写図説明)はだしの感触・「はだしが気持ちいい!」。潮が引くと、沖にきれいな白砂の州が現れる。人工ビーチにはない足の裏の感触。その心地良さに笑みがこぼれる
(写図説明)干潟の守り神・一昨年の台風18号で「沖縄こどもの国」から逃げ出したフラミンゴ。元気に逃亡生活2周年を迎えた。悠々と水辺に立つ姿に「泡瀬干潟の守り神」との呼び声も上がっている
(写図説明)童心に帰る・休日、干潟散策を楽しむ家族連れも増えてきた。次から次へと見つかる獲物に、大人の方が夢中になることもしばしば
(写図説明)命のゆりかご・無数の稚魚が海草に抱かれるように育つ。天然の水質浄化装置の役割も果たす海草藻場は、海の生態系を支えている |