[論壇]/[寄稿]/東条渥子/市民参画、市民自治の為政を!
昨年十二月二十日、愛知県の高浜市は市長自らが提案して常設型の住民投票条例の制定が全会一致で可決されたそうである。市民の重大な問題は有権者の三分の一の署名があれば、たとえ市議会で否決されても住民投票で決する事ができるという。
市の重要課題は市議会で審議のあと、透明な情報公開で市民の決を仰ぐ。これこそ真に「住民参加」「住民自治」のまちづくりといえるのではないか。
わが沖縄市は一万人(有権者のおよそ十分の一)近い住民の住民投票条例の制定を望む署名にもかかわらず(自治法では有権者の五十分の一以上の署名で条例制定の要求ができるというのに)、実に一顧だにされず聞かんふうなーされたのである。
去る七月の参院選の投票日に私の所属する沖縄市民平和ネットワーク(ふーちばーネット)で市民投票に関するアンケートを実施した(今年の事業計画は身近な平和を考えよう、市政勉強会がテーマだったので)。市民の住民投票に関する意識調査の聞き取りをした。
内容がいま市民の関心の高い泡瀬干潟と住民投票の実施についてだったので、なかにはうさんくさそうににらみつける人もいたが、ほとんどの方々が足を止めてアンケートに協力してくださった。
私の担当は泡瀬小学校投票会場での聞き取りだったので内心どきどきしていたが、ほとんどの方が率直に応じてくださり六百人近い回答が得られた。
そこで特に印象的だったのは、埋め立て大賛成だが住民投票ではっきり決着をつけてほしいとの意見の方々も多かった事である。今のやり方では悪い事を強行しようとしているように思われて気持ちが悪いそうである。
賛否はどうあれ住民投票で決めてほしいとする意見が八割以上であった。
私たちは高校生の意見も聞きたいとアンケート用紙を準備した。
彼らもあと二-五年以内でいや応なしに国民年金や市民税を負担する人々である。自分の生活している地域の問題に関心をもってもらえることが、よりよき社会人に成長する第一歩と思うから(夏休み中で実現しなかったが、用紙を準備してあります。市内の高校の生徒会の皆さん関心がありましたらご連絡を)。
私はこの聞き取り調査の体験を通して、わが沖縄市にも愛知県高浜市のような市民が自分の住む街のありように意識を持って参画できるシステムづくりが必要だと痛感した。市民の今の課題は泡瀬干潟の埋め立て問題ではあるが、今後も市民の意思を二分するさまざまな課題が出て来るのは当然あるのだから、住民投票と言う住民参画・住民自治のシステムづくりはすべきだと思う。だから賛成派反対派といわず、一緒に住民投票のシステムづくりについて学習しませんか。
来る二十九日(土)沖縄市産業交流センターで午後六時半から徳田博人先生を招いて「地方自治と住民投票」の学習会とざっくばらんな座談会を企画しています。泡瀬パヤオのてんぷらをつまみながら質問が飛び交うような気軽な会にしたい。
ご参加ください。(大事なことはみんなで決めよう住民投票市民の会準備会) |