藻場移植実験、施設局実施へ/普天間代替でシュワブ沖
那覇防衛施設局は二十九日までに、米軍普天間飛行場移設に伴い、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖で、ジュゴンのえさとなる藻場の移植実験を実施する方針を固めた。来県中の田中真紀子外相の要望に山崎信之郎局長がこたえたもので、移設計画の基本計画策定後に着手する環境調査を念頭に置いたものとみられる。
田中外相は二十九日午前、キャンプ・シュワブ内から移設場所を視察した際、騒音や自然保護に強い関心を示した。移設先周辺でたびたび目視されている天然記念物のジュゴンに言及し、藻場の移植実験の現状を説明役の山崎局長にただした。
山崎局長は沖縄市の泡瀬干潟で実施されている実験を引き合いに、「うまくいっているとの報道がある。可能であれば(シュワブ沖で)そういうことをやってみたい」と述べ、代替施設の建設で一部消失も懸念される藻場の確保のため、政府の正式決定を受けて移植実験を実施する考えを明らかにした。
また、同局長は代替施設の工法問題にも触れ、「今後、最適な工法を検討するが、これしかできないとなれば、(サンゴや周辺住宅への騒音など)損害が出るのはやむを得ないと考えている」との認識を示した。 |