危ぐ種の藻が発芽/環境監視検討委・総事局実験で確認/泡瀬干潟
中城湾港泡瀬埋め立て事業の環境保全対策を話し合う環境監視・検討委員会(委員長・真栄城守定琉大教授)の第三回会合が二十五日、那覇市の青年会館で開かれた。
沖縄総合事務局が進めている絶滅危ぐ種クビレミドロの室内移植実験で、卵の発芽が初めて確認されたことや、海草移植実験は来年一月までに終え、移植後一、三、六カ月をめどに生育状況などのモニタリングを行うことが示された。
中断している工事の再開について、同事務局那覇港湾空港工事事務所の住田公資所長は「移植については基本的に順調。ほかの状況を踏まえ、東京の方と検討していきたい」と答えるにとどまった。
海藻草類移植・保全ワーキングチームの一人である野呂忠秀鹿児島大教授は、移植に過大な期待をかけていることに懸念を示し、「最良と最悪の場合を対外的に示し、つくるかつくらないかは住民がきちんと考えて決めるべきだ」との意見を述べた。
また、陸域や海域の環境整備ワーキンググループの審議結果も報告され、泡瀬干潟の現状の機能を定量的に評価した上で、野鳥園や人工干潟の在り方を具体的に検討することが示された。
委員からは「移植した側だけでなく、海草を採取した場所のモニタリング調査をする必要がある」「貴重な貝類についても、対応を考慮すべきだ」などの意見が出た。 |