あすにも実験再開/汚濁防止幕を改良/総事局「工法に問題ない」/泡瀬干潟藻場移植
泡瀬干潟埋め立て予定地での藻場の移植実験を約一カ月中断していた沖縄総合事務局は十七日、記者会見し、環境・監視検討委員会海藻草類移植・保全ワーキンググループ(WG)の「移植はおおむね順調」との調査結果を発表した。海底をこすり、海草を傷つけていた汚濁防止幕の重しについては、幕の下部をH鋼で海底に固定するなど構造を変更すれば対応できるとし、早ければ十九日にも実験を再開する。二十五日に第三回環境・監視検討委員会を開いて報告する。
那覇港湾空港工事事務所の住田公資所長は「すでに三割の実験が終わっており、来年一月末までには実験を終えたい」と話している。
WGの三人の委員が十一月二十八日、現地で潜水調査し、移植状況や汚濁防止幕の藻場への影響などを確認した。
その結果、(1)約〇・六ヘクタールにわたり海草がちぎれるなど被害があったが、底生生物への被害は確認されなかった(2)海底面下に海草の茎や根が残っており、再生する可能性が十分ある-などと判断。九月に本島を通過した台風16号の影響についても「移植元の海域で被害はあったが、移植先では自然の藻場、三年前に実施した手植えの移植地ともに影響は見られず、機械による移植工法に問題があるとは考えられない」とした。
総合事務局は、汚濁防止幕が岩などに当たって破れないよう中間ブイを設けて水中につるす方法に変え、準備が整い次第、移植実験を再開する。
同実験は十一月八日に開始。しかし、市民グループから、濁りの拡散を防ぐため約二キロにわたって設置した汚濁防止幕の重しが海草や底生生物に影響を与えている、などと指摘され、同二十一日から中断していた。 |