海草移植実験を中断/市民団体「藻場を破壊」と指摘/泡瀬埋め立て
沖縄総合事務局が今月七日から泡瀬干潟埋め立て予定地で行っている海草移植実験を、二十一日から中断していることが二十七日、分かった。機械による移植実験については、現場の周囲約二キロに張り巡らした汚濁防止幕の重しの鎖が海草や藻に被害を与えているなどとし、埋め立てに反対するグループが実験の中止を訴えていた。移植実験は当初、十二月に完了する予定だったが、長引くことは避けられそうにない。
沖縄総合事務局中城湾港出張所は「市民グループの指摘などを受け、現地調査をするために中断した」と説明。再開の時期については「まだ決まっていない」としている。
実験は、約三ヘクタールの海域に生える海草を機械で採取し、近くの海域に移植するもの。鉄製ボックスをパワーショベルで海底に沈め、海草を土ごと削り取っている。
これについて泡瀬干潟を守る連絡会は二十七日、県庁で会見し、「機械で掘り出した海草の固まりを移植先の海草藻場の上に置いただけ。採取地と移植先両方の海草藻場を破壊している」と批判。現在の移植実験のほか、計画されている全体の藻場移植も中止するよう求めた。近く、総合事務局に再度要請する。
同連絡会によると二十五日、西防波堤の北側約百五十メートルと、西側約三百五十メートルの二カ所の移植先を調査。(1)移植された海草は周辺の砂が流出し、地下茎が露出(2)移植先周辺に枯れ草の破片が漂い、汚染がひどい-といい「移植で海が濁り、このままではサンゴも死滅しかねない」(内間秀太郎共同代表)と批判した。
二十八日午前には、環境監視・検討委員会の海藻草類移植・保全ワーキンググループが海草の採取地や移植先などを視察する。
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