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  2001年11月20日 朝刊  1面
反対57%・賛成24%/沖縄市民世論調査・75%/住民投票肯定7割/「市の説明足りない」

 中城湾港泡瀬地区の埋め立て事業について、沖縄タイムス社は十七、十八の両日、朝日新聞社、琉球朝日放送と合同で沖縄市民を対象とした電話による世論調査を実施した。その結果、泡瀬干潟を埋め立てる計画に「反対」は57%で「賛成」24%の二倍を超え、行政側が事業の根拠としてきた「市民総意」を覆す結果となった。いったん否決された住民投票は、「実施すべき」の68%が「必要なし」18%を大きく上回った。また同計画が住民に説明されているかどうかは、「十分説明している」10%に対し「不十分」は75%に上り、説明責任が十分に果たされていないことも浮き彫りになった。(2・3・26・27面に関連)
 計画に反対する理由では「干潟が失われるから」の59%が最も多い。「経済の活性化につながらない」が18%、「財政負担が大きい」も12%あった。一方、賛成の理由は「経済の活性化」が73%を占め、同事業の経済効果に期待が集まっている。「議会で決めた」は5%にとどまった。
 焦点となっている自然環境では、周辺の環境が守られると「思う」は16%に対し、69%が「思わない」と否定的だ。
 埋め立ての是非を問う住民投票条例は、市議会の六月定例会で二十六対八の反対多数により否決された。調査で住民投票を実施すべきかどうか聞いたところ、「実施すべき」が68%で七割近くに達し、「必要ない」は18%と二割弱。さらに埋め立てに賛成する人の中でも、半数近くの46%が「実施すべき」と答え、否決した市議会や「必要なし」と意見書をつけた仲宗根正和市長の判断とは逆の結果となった。
 住民説明は、埋め立て「賛成」の側からも過半数の53%が「不十分」と答えるなど、事業計画は市民に浸透していない。関心度が「大いに」「少し」を合わせ81%と極めて高いことからすると、国、県、市の説明責任が問われそうだ。
 経済活性化策としては「企業誘致」を挙げたのが38%で最も多く、次いで「観光」30%、「公共事業」17%と続く。
 仲宗根市長の支持率は39%で、「支持しない」の32%を7ポイント上回った。

(写図説明)泡瀬干潟埋め立てに
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