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  2001年11月17日 夕刊  1面
[島の仲間たち沖縄・生き物紀行](45)/ムナグロ/泡瀬干潟が本島最大の飛来地

 海辺に渡り鳥がやってくる季節。埋め立て計画が進む泡瀬干潟で、水面すれすれに滑空するムナグロの群れを見つけた。ハマシギなどと並び、沖縄の冬鳥の代表格。シギチドリの仲間が多く見られる泡瀬でも、最も数が多い。
 沖縄野鳥の会によると、今秋は十月の時点で、調査開始以来最多の千三百五十一羽を確認。事務局長の山城正邦さんは、冬にかけて千五百羽ぐらいまで増えるのでは、と予測する。
 各地の干潟が埋め立てなどで次々と消失した結果、皮肉にも、泡瀬干潟は本島最大の渡り鳥の飛来地となった。群れで行動するシギチドリの仲間にとって快適な場所は、広い沖縄の海にも多くは残されていない。
 山城さんは「泡瀬までが埋め立てられると、沖縄全体が渡りのルートから外れ、鳥が来なくなるかもしれない」と懸念する。
 干潟を舞う群れが来年も見られる保証は、いまのところない。(写真部・田嶋正雄)
 ムナグロ チドリ目チドリ科。全長二四センチ。羽は白、黒、黄のまだら。腹は冬羽は白いが夏羽は黒。方言でハルチジューヤーなどと呼ばれ、古くから親しまれてきた。
(この企画は、土曜日に掲載します)
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