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耳鼻科通い日記

2004年(中1)9月〜





悠くん、耳掃除が嫌いです。
耳を見せてくれません。
5年生のとき、中耳炎かもしれないと思い、病院に連れて行きましたが、診察室に入るのを
拒否したので、5人がかりで押さえつけて、無理やり診ました。

このままではダメだと思い、歯医者のようにゆっくりと慣らしてくれるドクターを探していました
ら、ちょうどサリーが副鼻腔炎の手術をしたドクターが「やりましょう」と言って下さいました。

特に受診の必要はありませんが、今のうちに耳鼻科に慣らせようと思います。








                       





第1回  2004.10.08(金)






学校を休んで、行ってきました。
朝一で行かないと、込んでいて、かなり待たないといけないからです。
特に何かあるわけではなく、大嫌いな耳鼻科に慣れるということを目的にしています。
耳鼻科で、嫌がらずにちゃんと鼻と耳を診てもらえればそれでOKと思っています。
耳掃除ですら抵抗してさせてくれない悠くんですから、かなりの抵抗を受けるのは覚悟の
上ですし、その上、この耳鼻科では過去に怖い経験をさせています。

5年生の頃に一度、中耳炎かもしれないと思い連れてきましたが、診察室に診察ベッドが
見えたので入るのを拒否し、説得しても効かないので、2人がかりで部屋に入れて、5人
がかりで押さえ込んで無理やり診てもらいました。

実は「暴れて噛み付く自閉症の5年生の男の子を診てくれますか」と問い合わせて、ほと
んどの病院で断られました。
鼓膜を破る危険性を冒してまで診られないということのようです。
ところが、1件だけ、OKしてくれましたので、そこに連れて行きました。
診察室に入るのを頑固に拒否する悠くんに、ドクターも困ったようで、押さえつけてもいい
かどうかを聞かれました。
とりあえず、中耳炎であるかないかだけでも診てもらいたかったので、押さえつけての診
察になりました。
2人がかりで診察室に連れ込み、ベッドに横にして、5人がかりで押さえ込んで、やっと診
てもらいました。
特に異常なしで、耳の中は綺麗だということでしたので、その1回で終わりました。


その嫌な経験のある耳鼻科です。
それを承知で、その怖い嫌な経験をじっくりと時間をかけて消していこうと思い、あえて同
じところに連れてきました。
怖かった記憶は消えることがないかもしれませんが、新たに「あっ、ここって大丈夫」と思
ってくれたらと思います。

今回のドクターは前回のドクターとは違います。
サリーが夏に手術をしてもらった時の主治医のドクターです。
押さえ込んの治療は絶対にしないと言われたので、悠くんのことをいろいろと説明して、
すぐには診察室に入ることすら出来ないかもしれないので、診察できないかもしれないが
ゆっくりと時間をかけて慣らしていきたいとお願いしましたら、了解してくれました。


耳鼻科に行くという予告は3週間前ぐらいからしていました。
2週間前ぐらいから、時々自分の鼻と耳を示して「耳鼻科行くよね」というような確認して
からロッテリアを示す(「その後、ロッテリアも行くよね」という意味)というようなことをし始
めました。
気にしているのは気にしているみたいですが、歯科の初回に比べれば全然余裕です。
歯科治療に慣れたおかげで病院に対する恐怖心が少し薄れたのと、歯科で事前に診察
内容を予告して、理解してから経験してきたことで、予告がしっかりと予告として理解出来
るようになったということなのではないかと思います。
「病院」と言われて、病院というものがどういうものなのかがどんどんと解ってきたという感
じです。
障害児歯科の1年間の慣らし診察はかなり役立っています。
理解して納得して経験したことが、悠くんの中で有意義な経験として身についているという
感じがします。


               
       第1スケジュール         第2と第3を一緒にしたもの



  ******************

今回は初回ですので、予約はなしです。
病院の1回の受付で番号札順に手続きをしました。
窓口の開く10分前に着いたのですが、13番でした・・・
受付が開始してからは、悠くんには少しはなれたイスに座っているように指示して、サリー
は手続きを済ませましたが、悠くんは、その間ニコニコ座って待っていました(^^ゞ

次に耳鼻科の受付へ行き、そちらの受付を済ませて、待合のイスに悠くんと一緒に座って
待ちました。
ドクターには事前に今日来ることを伝えてあり、受付で来た事を伝えました。
そんなに待たずに受診できるはずです。
特に嫌がることもなく、なぜかニコニコしていました。
時々鼻と耳とロッテリアを確認してくるのですが・・・笑顔でちょっとハイというかご機嫌な
状態で確認してきます。
まるで「待ちに待った楽しいこと」みたいに見えてしまいます(^^ゞ
決して、喜んでいるわけではありませんので、誤解されるから、ハイ状態と、確認とは分
けて表出して欲しいなぁと思ってしまいました(--;)
こういうことをするから、支援する人たちに「楽しんでいる」と誤解されるのです・・・・
本当は、ただ待っている間にちょっとハイになっただけなのですけど(^^ゞ

1年半ほど前の怖い記憶のある耳鼻科ですので、診察室には入らないのではないかと覚
悟していましたし、ドクターにもそう伝えていました。
・・・・が、40分ほど待ったところで名前が呼ばれましたので、サリーが「行くよ」と声をか
けるとサッと立ち上がり、診察室まですたすたとついて入って来ました・・・(^^ゞ
診察イスに座るように言うと、ちょっと警戒していて、半分腰掛けていつでも逃げれる態勢
で座り、横に並べてある器具をじっと見つめて何があるのかをチェックしていました。
その悠くんの様子を見て、ドクターが器具を手にとって、こうするのとやって見せてから悠く
んに渡しました。
・・・が、悠くんには言葉は全く通じません。
こういうふうにするのよとやって見せてから、悠くんにその器具を手渡すと、「こういうふう
に真似して御覧なさい」と言う指示に受け取られます。
悠くん、ドキドキしながらもしっかり真似してました・・・・(^^ゞ


悠くんがしっかり腰を下ろしてから、耳と鼻とを診てもらいました。
・・・が、しっかりではなく、初回ですのでさっと診たという程度で終わりました。
その後、喉もドクターに診せて、「OK」が出ると、悠くんは診察イスから、診察室の隅にあ
る丸イスに逃げました。
悠くんをそこ(丸いス)に座らせたまま、サリーがドクターと話していると、「早く診察室の外
に出たい」と、診察室の外を指差してサリーに訴えてきました。
ドクターと話が出来ないので、悠くんに、「鼻と耳は終り」とスケジュールに×をつけると、
診察が終わったことが解ったみたいで、安心したように、丸いすに大人しく座って待ってい
ました。


ドクターも、診察できるとは思わなかったようで、「何とかなりそうですね」というご返事でし
た(^^ゞ
事前に、1年前の経験があるので診察室に入れないかもしれないということを伝えていま
したので、ドクターもその覚悟でいたようです。
・・・・が、驚いているのは、実はサリーの方です(^^ゞ
まさか診察室に入って、診察イスに座って簡単にでも診察が出来るとは、思っていません
でしたから・・・・・



診察の時に、悠くんを不安にさせた対応が2つ。

 ・ドクターが、悠くんの手を握ってスキンシップを図ろうとしたこと。
    もともと無理やりではなく仲良くなってから診察したいと言われていましたので、
    仕方がないですが・・・・・
 ・看護婦さんが、悠くんを安心させようとして一生懸命言葉をかけてくれたこと。
    さすがに、これはちょっとと思いましたので、「聴覚過敏がありますので、声をか
    けないでください」とお願いしました(^^ゞ

一般的には、良い対応だと思いますが・・・・自閉症の悠くんには逆効果です。
悠くんが診察そのものに慣れてしまったら、ドクターが手を握ってスキンシップを図ろうと、
看護婦さんにいっぱい声をかけてもらおうと全然大丈夫なのですが、初めての場視よで、
初めての耳鼻科での診察で・・・悠くんは何をされるかビクビクで相手の目線やしぐさなど
一挙一動まで読み取っていったい何をするのか探ろうとしているような不安定な状態での
不必要な行動や声かけは余計に悠くんを不安にさせます。


しかし・・・今回の悠くんの様子だと、数回で耳鼻科にも慣れてしまいそうな感じです(^^ゞ



 ************************

病院からの帰りは駅前のロッテリアに行く予定ですが、すごい雨でしたので、駅前ではな
く、寄りやすいマックH店への変更を悠くんに申し出てみたのですが・・・・しっかり却下さ
れてしまいました(^^ゞ

マックH店は、帰りの道路沿いにある、駐車場の大きな郊外型の店舗ですので、寄りや
すいのですけど・・・
悠くんは、なぜかマックH店が嫌いです(^^ゞ
今までにも「マックH店へ行くぐらいなら、行かなくていい。家でおやつを食べる」と言うこと
が何度かありました。
国道沿いの同じような店舗であるマックR店やマックN店はOKなのに・・・・なぜH店だけ
が嫌なのかがよく解りません・・・・
マクドナルドの店舗って、どこでも同じような感じですよね・・・・?(?_?)?

ですが、とっても頑張ったのは悠くんですから、最初の約束どおり、ロッテリアにしました。



     持っていったスケジュールです
        
     
         広げると・・・・↓
        
第1スケジュールの中に、第2スケジュール、第3スケジュールを入
れて、1本にしたものです。

予告する時は、第1スケジュールと第2スケジュール、第3スケジュ
ールは貼る場所が違いますので、分けて予告しています。
一緒にすると混乱しますから(^^ゞ


第1スケジュールには、スケジュールの中に『病院+耳鼻科』を入
れて、今日の何時に病院に行くのかとか、その後に何があるのか
ということ。
ロッテリアに行ってから帰り、それから家で昼食ということと、その
後におやつがあるということを伝えています。
午前中におやつのポテトなどを食べさせたことがありませんので、
昼食と勘違いしないように、またおやつを1日に2回も食べたことが
ありませんので、おやつはあるということを誤解しないようにおやつ
までのスケジュールを入れて、悠くんがふっとそれらのことを疑問
に思ったときにはいつでも伝えられるようにしました。


第2スケジュールは『病院』での手順(?)
1階の受付で手続きしてから、耳鼻科の外来の待合で待って、診
察が終わったら1階の清算窓口で清算するというような、病院の中
での流れの予告です。
(そんなに細かく伝えてません。ここに寄って、ここに寄って・・・とい
う程度です)


第3スケジュールは、『診察』の手順
今回は、詳しくわかりませんでしたので、診察イスに座って、耳を診
て鼻を診るという程度の予告です。



















第2回  2004.11.08(金) 9時の予約ですので学校は休みます。
耳鼻科の後はロッテリアに行きます。
悠くんは、なぜかとってもご機嫌です(^^ゞ

耳鼻科の待合室で、何度か「ロッテリア」を確認しました。
名前を呼ばれると診察室に入って行き、診察イスにこわごわ半分だけ腰をかけて、
いつでも逃げ出せる体制でした。
とりあえず、耳と鼻と喉をちょっと診せましたが、悠くんの様子が前回と変わりませ
んでした。
終わった後は、ロッテリアに行きました。
すごく怖かったからか、ものすごーーーく嬉しそうにしていました。
買物して帰ろうと誘うと、OKが出ましたので、スーパーに寄って帰りました。


さて・・・・・悠くんの様子が前回と変わらないということは、前回と同じ予告に問題が
あるのだろうと思います。
今のままではいつまでたってもこのままのはずです。
何回も経験させることで慣れるかもしれませんが、かなりの無理をさせますし、時間も
かかります。それに、そうやって慣らしたとしても、場面が変わると役に立たなくなりま
すし、ちょっとした変化にも弱いです。
きちんと伝えて悠くんが納得して受診するという方向を目差します。

悠くんが怖がっていること、何をされるかわから無い怖さは細かく「こんなことをする
よ」と予告しない限り続くはずです。
今の予告では情報が全然足りないということです。
もっと細かく手順を予告しないと・・・・・
もっと悠くんに解りやすく細かく予告することを次回までに考えることにします。


















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