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キャンプのスケジュール2
(小6)




  平成15年8月 

今年は反抗期で不安定なので長い期間のものは
避けて、1泊のキャンプに3回参加しました。




昨年のスケジュールは1枚ずつのめくり式でしたが、今年は縦一列に並べる方式にしました。
変更を伝える時に、カードを組み替えたりしなくても理解できるようになったからです。








P 自閉症児キャンプ  
プレキャンプ

 ボラさんとの顔合わせなどのために事前にプレキャンプがあります。


 自閉症児3人(+ボラさん4人)でボーリングをした後、どこかのお店で昼食をとることになっています。
 
 悠くんボーリングをしたことはありますが、3回ぐらいボールを転がして、切れてしまいました。
 何をしているのかを理解できないまま、ただボールを転がすように指示されたという状態です。
 ボールがピンに届くところを見ていませんし、たとえ見ていたとしても、なんのことか解らなかったはずです。
 おもちゃのボーリングゲームもしません(^^ゞ

 悠くんの気持ちの状態としては・・・
 なんか解らないけど、ボールを転がすように言われたから、転がしたのに、またやれと言われた・・・だからボールを
 転がしたのに、またボールを転がすように指示された・・・「むかつく!!」で・・・3回目で切れました。
 悠くんのはボーリングではなく、ただ指示されてボールを転がしただけです。
 何をしているのかということまではわかりません。
 これが4年生のときのことです。

 5年生になってやっと、室内ゲームのボーリングでボールを転がしてピンを倒すということが解りましたが、それを楽
 しいとは思わないようです。
 そんな状態ですが・・・それでも、悠くんにスケジュールを作らないといけません。


   
      


  


←左 
朝から夕方までのスケジュール
日にち 「8月3日 日曜日」と入れて
あります。
車で某所に行くと入っています。


←真ん中
某所でのスケジュール
集合してから歩いてボーリング場に行き
ボーリングをするということを示していま
す。


←右
そのボーリングの活動内容を示してい
ます。
「待つ」「ボールを転がす」「ゴールを見
る」「ボールを転がす」「ゴールを見る」と
いう行動が10回分示してあります。
・・・・長すぎて、嫌がりそうですね(^^ゞ







右端がボーリングのスケジュールです
見ただけで嫌になりそうです・・・(^^ゞ





 ボーリングをどう伝えるか・・・とりあえず手順を示しました。
 「待つ」「ボールを転がす」「ピンを見る」「ボールを転がす「ピンを見る」これでを10回繰り返すことになりますので、長い
 面白くないスケジュールになりました。
 ボーリングをしたことがないので、内容を理解できるかどうかは解りませんが、現地でやり取りをするのに視覚的なも
 のは必要ですから、理解していなくても持たせます。

 ただ、やる気を持続させるためには、これでは無理です。
 「待つ」「ボールを転がす」「ピンを見る」「ボールを転がす「ピンを見る」を1手順として、それが10回あるという示し方を
 するか、10回分を縦にずらっと並べるか・・


         
ボーリングがどういうものかということと
最後まで頑張れるように、わかりやすいシートを
作りました。
「待つ」「ボールを転がす」「ゴールを見る」「ボー
ルを転がす」「ゴールを見る」という行動で1ターン
として、1ターン終われば○をつけていって、10
個○をつければ終わりという形にしました。

上のただ長いだけのスケジュールではやる気が
続きそうもないですから(^^ゞ

でも、これが続くかどうかは解りません。
10回の後にご褒美をつけるか・・・


 問題がいくつかあります。
  ・「待つ」をどうするか。
  ・「ボラさんと」をどう示すか。


  ボラさんとボーリングをします。
  今まで「ボラさんと出かける」ということを伝えて来ていませんでした。
  キャンプや野外活動はボラさんと行くということを解っていますが、伝えてはいません。
  悠くん、サリーと離れるのは全然平気ですので、伝えてきませんでしたが、これからのことを考えると伝える必要が
  あります。
  特に、今回のように野外活動ではないのにボラさんと一緒というのは初めてです。
  「ボラさん」を表す絵を決めました。


      ボラさんと出かける→

         プレキャンプ当日のスケジュールと
                 プレキャンプのスケジュール
             


  「ボラさんと出かける」という絵もボーリングの写真も初めてのものです。
  写真や絵の理解がではない悠くんには、何が書いてあるか解らないはずですので、今までの方法でも伝えようと
  思い、構文シートを使って、「3日(日)、悠くんはボラさんと一緒にボーリング場に行きます」と示しました。
  その横に、ボラさんがどんな人なのかわかるようにの写真を貼ってあります。


                    






前日に翌日のボーリングの支援グッズの用意が終わりました。








サポートブックややスケジュールやコミュニケーションブック(予備)
などをサポートバッグに入れました。
     














それから、お友達の番板の時には待っていないといけませんので、
その待つ時間をつぶすためのおもちゃと、その時の座っている位置
を示すおしり型を用意しました。
                











それと、サリーと別れるときに悠くんに「悠くんはボラさんと行きます」
と伝えるために構文シートを用意しました。
これを使って伝えます。

シートの内容は・・・         
 「今日悠くんはボラさんと一緒に歩いてボーリングに行きます。
                    歩いて昼食(外食)に行きます。」
その下には・・・
 「ボラさんは、この人たちですと伝える顔写真を貼ってはっとあります。










  


  
               ↑ 白いタオルに油性マジックで
                 書いただけです(^^ゞ


  
    







それから、ボラさん向けにボーリング場で起きる可能性のあるトラブルとその対処方法をA4一枚にまとめました。

悠くんへの対応について

知的障害が重いですので、手順がわかっても意味が全く解りませんので、ぜんぜん
楽しみません。
関心のないものは見ませんので、レーンもその先のピンも、電光掲示板も何も見えて
いないはずです。それに注目させることは難しいですし、解らないものを見ないといけ
ないということは本人のストレスになります。
本人にとっては面白くもないボーリングをするということは、1時間近くやりたくないつ
まらないことをさせて我慢させている状態ですので、ちょっとした事で爆発する可能性
があります。

出てくるだろう問題は・・・

1、イライラして確認が増えるだろうと思います。
  8月のお出かけの予定を次々と確認してくる可能性があります。
  悠くんの伝達意図を読み取って、適切な返答を返してくれないと、イライラが積
  もり爆発します。
  → コミュニケーションブックにあるカレンダーで「いつの予定なのか」の
    やり取りをきちんとしてください。
   「解らない」とか、「今は行けない」とかいう返答は、他傷の引き金になります。
    本人は行けることを知ってて確認していますの、いついつ行けるよという返答
    以外は受け付けません。

2、途中でポテトの要求が出る可能性があります。
  嫌なことを我慢するときには、それを我慢するための動機付けを要求してきます。
3、ボーリングの後、みんなで食事をするのですが、その建物にウェンディース
  (ハンバーガーのお店)がありますので、そこに入りたがるだろうと思います。
  嫌なことを我慢した後ですので、「行かない」という返答を許さないはずです。
  →家に帰ってからおやつを食べる予定になっているところを、マクドナルドに行き
   ますという予定に変更して、そこになったら行けるからということで説得して
   ください。
     一日のスケジュールの中の活動「車」「家」「自由遊び」「おやつ」
     「自由遊び」「夕食」となっている部分の「おやつ」の横に「M」と書き込んで、
     コミュニケーションブックの「マクドナルド」を示し、マクドナルドのことだよと
     伝えてください。
     それでも満足しない時のために、「車」「家」「自由遊び」「車」「マック」「車」
     「家」「自由遊び」「夕食」に変えたスケジュールの方と交換して見せてくだ 
     さい。

4、食事中か食後に空っぽのご褒美のポテトなどを要求するかもしれません。
  →家に帰ってから「あめ」と伝えてください。
   一日のスケジュールにある「家」とコミュニケーションブックの「あめ」を示し
   て伝える。


他傷が始まったら、誰も近づけない。
静かな所でひとりで置いておくのが一番いいのですが、そんな場所もありませんか
ら、他傷が長引くかもしれません。今までの最長は1時間半です。
その間、悠くんは手負いの虎状態になりますから、ちょっと声をかけた、ちょっと誰
かが横を通っただけで噛み付きます。
もしここまで行ってしまうと、声をかけることは一切禁止です。特に「ダメ」「止めて」
は絶対にダメです。
噛みつかれても引っかかれても無反応で、悠くんの行動が一瞬止まった時に「それ
でいいよ」と笑顔で頭をなでなでしながら褒めるという対応を我慢強く繰り返すしか
ありません。





キャンプ


キャンプの3日前にスケジュールが届きました。
今回は悠くんをサポートをしていた下さる方が作ってくださいました。
一生懸命考えて作ってくださったのだろうと思います。

いやぁ〜なんだか、作ってもらっちゃうと楽ですね(#^.^#)

ちょっと手を加えたいな・・・と思ったりもしましたが、せっかく作っていただいたのですから、手を加えずにこのままで
予告しようと思いながら、いただいたスケジュールを見ていたので
すが、もしかしたらサリーはわざわざ難しく複雑に示しているのではないか・・・と思いはじめました。

たくさんの情報を盛り込みすぎていないか・・・
もっとシンプルなものでも十分通用するのではないか・・・
サリーがわざわざ支援を難しくしているのではないか・・・
などなどということを考え始めました(^^ゞ

出来るだけ簡単にしていく方向を目指していたはずなのに、逆にどんどん複雑に難しくしてきていないか・・・

今回、スケジュールを作っていただいたことで、はじめて気がついたことです。
ひとりよがりになっていたのかもしれません・・・・


その作っていただいたスケジュールで予告しました。
          












K 自閉症児キャンプ  
プレキャンプ

プレキャンプは、ボラさんとプールに入るというショートプログラムです。

 

    
カレンダー

スケジュール






















カレンダーの写真とスケジュールに示している写真は同じです。
「10日に『プレキャンプ』があるよ。その『プレキャンプ』はね・・・」というように、カレンダーと連動させるため、
同じ言葉(写真)を使います。



キャンプ

キャンプのスケジュール

           

   
            ↑ サポートブックの中に入れたスケジュール




コミュニケーションブック
  コミュニケーションブックにはキャンプでは必要ない言葉もたくさん入っていて、ボラさんには必要な言葉を
  探しにくいだろうと思いますので、サポートブックの中に必要な言葉を入れてしまいました。
 












E 障害児キャンプ  
プレキャンプ

悠くんが参加している障害児スイミングのグループです。
ですから、プレキャンプはいつも行っているスイミングの建物の中で行われます。
悠くんには、その建物に行くけれど、プールには入りませんということをしっかりと伝えておく必要があります。

     
                        『プール×』を入れています。

悠くんに「プール×」も含めて伝えました・・・・が、にっこりと嬉しそうです。
やっぱり、ボラさんと何かすることが楽しいようです。


キャンプ


    キャンプのスケジュール   キャンプの活動を含めた明日と明後日
       ↓                  ↓  ↓     のスケジュール
     





サポートブックの中にキャンプの2日間のスケジュールを入れています。

       




チョイスボート
 キャンプ中の活動場所一覧を入れています。

    












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