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  コミュニケーションって何?


サリーは英語は苦手です。さっぱりわかりません。(^^ゞ
でも、英語の歌を歌うことは出来ます。音として覚えればいいだけですから・・・
でも、英語が理解できているわけではありません。

言葉をいっぱい出しているけど、コミュニケーションの手段には使っていないということがよくあります。誰もいない空間に向かってほしいものを何度も呼んだら出てきたというような感じでしょうか・・・

相手からの情報を理解して、自分からの情報を相手にきちんと伝えるという相互作用があってはじめてコミュニケーションになります。相手からのメッセージを理解する力、自分からメッセージを発信する力、それとやり取りをする力を育てなければコミュニケーションにはなりません。言葉は一番便利な手段ですが、ちゃんとコミュニケーションの手段として使えないと役にはたちません。

悠くんとのコミュニケーションは「言葉」という手段を使いません。
写真や実物を使っています。
でも、コミュニケーションは取れてます。言葉が出ないこととコミュニケーションが取れないこととは違います。

言葉の通じない外国に旅行したとしたら、コミュニケーションで苦労するはずです。でも、お互いが、伝えよう聞き取ろうという姿勢で接したら、身振りや手振り、伝わるかもしれないあらゆる手段を使えば、コミュニケーションが取れるはずです。
そして出来る限りの手段を使って伝えようと努力すれば自閉症の悠くんともコミュニケーションが取れます。自閉症の悠くんは、視覚優位、耳からの情報が苦手です。それに、目に見えないものは理解できません。情報は、視覚的に伝えます。


目に見えるもの、行き先や活動といったものは、写真や絵などでも簡単に示すことが出来ます。
では、時間の経過を含んだもの「後でね」「今度ね」のように、目に見えない理解しにくい情報を、どうやって視覚的に伝えるか・・・。
そういったものを伝える時には、時間の流れを見て解るようにしたものが必要です。
ですから、時間の経過を視覚的に示している「スケジュール」も必要です。


悠くんに、自分の要求を受け止めてくれたと実感してもらうためには、コミュニケーションのカードだけでなく、この「時間の流れ」をやり取りの中に入れなければいけません。
でないと、悠くんからの要求を「拒否する」だけになります。
「あなたの要求はわかりました」と受け止めたということを悠くんに理解してもらうために、今はだめでも、後に必ず出来ますということまでしっかり伝えます。「悠くんが要求したものがいつ手に入るのか」ということまで、きちんと伝えます。






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