◆スカー


スカー。魔法使いの忘れ物
属性:サブパペット全部

魔法使いと似た姿をもつ者。
しばしば暴れる箱庭の住人の裏に見える悲痛な気配となって現れることが多いが
箱庭崩壊の直前、合わせ鏡の壁の前に姿を見せ、魔法使いと対峙した。
箱庭と箱庭の住人を形成した張本人で、沢山あるシッポはそれぞれの箱庭の住人に繋がっている。
魔法使いが箱庭の世界で永遠に暮らす事を願っている。

その正体は、遠い過去に魔法使いが深い傷を負った時に分裂した、魔法使いの半身。
最初に受けた傷の事を魔法使いは思い出せないが、この時分裂したスカーは、時の流れから外れてしまった。
時の流れの中に生きる魔法使いは、多くの傷を「忘れる」ことで回復してきたが
スカーの時は流れず止まったまま、傷がついたまま今に至る。
魔法使いが受けては忘れた全ての傷の化身がスカーである。

スカーはこれ以上傷つかないために、受けた傷のデータを元に思考と感情のパターンを作り出し
魔法使いを守るようにした。こうして出来たのが箱庭の住人である。
箱庭の住人は、ぞれぞれ自身の力を増幅、強化するために、自分の鏡を外界との間に置いた。
自分と同じ属性の鏡と向き合うと、合わせ鏡となり鏡像が連鎖しどこまでも力が引き出せる。
内外入り混じる様々な鏡像が複雑に映りこみ、箱庭は閉ざされた壁の内に
無限とも思える広がりのある世界を作り出した。

しかし箱庭の住人は傷を元に作られた存在。
時にスカーの癒えぬ怒り悲しみ絶望から生まれた復讐心が前面に現れ、他人に牙を剥く。
そしてまた誰かに新しい傷がつく…悟った魔法使いは、スカーを振り切り鏡の壁を打ち壊す。
壁を失った箱庭は崩壊し輪郭を失い、スカー・住民もろとも消滅する。
しかし長くは続かなかった。スカーの力は強く、根深い。
瞬く間に再び魔法使いは、鏡の壁の内側に閉じ込められることになる。
「傷が全て癒えるまで、このシッポは君の周りから消えないよ」
魔法使いは、スカーの傷を、できるだけ癒せるよう努力すると約束した。

…とはいえ忘れっぽい魔法使い。今度スカーに会うのはいつになるやら。