◆ガラス玉おばけ


属性:ブラァン

魔法使いは 無限の力を秘めるという虹の欠片を探していた。
如何様にも姿を変え、周りの関心をひく事の出来る道化師がいるという。何者にでもなれる力。
彼こそが、虹の 欠片の秘密を知る者なのではないか?魔法使いは道化師の元へ行くのだが…
そこに居たのは、周囲の人間に反応して姿を変えるガラス玉があるのみだった。

虹色をしたガラス玉が本体の幻影。魔法使いの求める虹の欠片とは別物。
周囲の注目を浴びるために、お面をつけかえ様々な姿に変身する。
時に可愛く、時にカッコよく。またある時は貞淑に、淫靡に、力強く、かよわく、穏やかに、激しく…
注目されればされる程、彼の感情は高揚していく。
「どう?楽しい?面白い?これがボク…そうボクだよ。みんな、覚えていて…」
そう聞き返してくる彼の笑顔は本物なのか?
箱庭の住人中一番楽しそうにしている筈なのに、いつもどこか悲しく、寂しげである。

誰よりも自分を見て欲しい。その願いのまま何にでも変身できる能力を持つ代わりに
素のままの自分を持つ事ができないジレンマを抱えている。