[最近活躍しているイギリスのラブラドール犬舎] 吉川信幸

イギリスはチャンピオンのタイトルを得るのが最も難しい国と言われています。チャンピオンの称号を得るためにはChallenge certificate (CC)カードを3枚、しかも異なる審査員から獲得する必要があります。CCカードが出るチャンピオンシップショーは年間40数回開催されますが、各ショーには少なくとも二百数十頭以上の出陳があり、CCカードは牡牝各1枚に与えられるにすぎません。1年間に新たにチャンピオンになるのは約12頭程度です。また、原則として一人の審査員は年間に一つのチャンピオンシップショーしか審査できないシステムです。最近、1990年代に誕生したイギリスチャンピオン[ショーチャンピオン(ShCh)とフィールドトライアルチャンピオン(FTCh)の両方]の血統を網羅した「LABRADORS 2000」(Dr.I.Craft and G..Jonson, ViGra, 2000)が出版されました。本稿では、ここ10年間のチャンピオン犬を参考にしながら、最近活躍しているイギリスのラブラドール犬舎について紹介します。

イギリスにおけるトップ・ブリーダーの定義

  イギリスのラブラドール犬舎には、多数のチャンピオン犬を何年にもわたって出し続けている有名犬舎(最も有名なのは故グエン・ブロードレイ女史のサンディーランズ犬舎がある)から、未だ一頭のチャンピオンも出していない犬舎まで多数存在します。どれくらいのブリーダーがいるのか正確にはわかりませんが、例えば「The 1997 Labrador Book には131犬舎のリストが載っています。チャンピオン犬を出しているかどうかは、犬舎の設立が旧いか新しいかという単純な理由ではありません。ブリーディングには、ブリーダーの明確な目標がなければいけませんし、それを達成するためのセンスが必要になります。なぜある人はトップ・ブリーダーとして多数のチャンピオン犬を出すことができ、またある人はできないのでしょうか。この問題を的確に分析した本にマリー・ロスリン・ウイリアムス(MRW)著の「Advanced Labrador Breeding*があります。ラブラドールのブリーダーにとってはバイブル的書物と言われている本です。この本の中で著者は、ブリーダーの成長を7つの段階[未経験者(beginner)、初心者(learner)、駆け出し(novice)、永遠の未熟者(everlasting novice)、中堅(middle-ranger)、上級(グッド)(good breeder)、一流(トップ)(top breeder)]に分けています。ピラミッドを想定すると、グッド・ブリーダーとトップ・ブリーダーがピラミッドの上部3分の1を占め、この位置にいる人はブリーダーとしてだけでなく、チャンピオンシップショーの審査員としても活躍しています。また、MRWはトップ・ブリーダーについて次のような興味深い定義を述べています。すなわち、“トップ・ブリーダーであるためには、少なくとも9年間ブリーディングを行ってきた間に、自家繁殖した3世代の牝から3頭のチャンピオン犬を作出しなければならない”というものです。なぜ、“3世代の牝”で、“3頭のチャンピオン犬”なのでしょうか。これに関して次のように説明しています。

 “もしあなたが、有名犬舎からすばらしい牝を譲り受け、ブリーディングを始めたとしましょう。その犬舎主のアドバイスに従って、その牝と合う牡を選んで交配し、仮にその子供がチャンピオンになったとします。その結果は、牝も牡も有名犬舎のブリーダーが作り上げたもので、すべてその人のおかげということになります。次の(2世代目の)牝から再びチャンピオン犬が出たとします。これもまだ最初の牝のおかげ、すなわち有名犬舎のブリーダーの影響下にあるか、あるいは偶然の結果です。しかし、既にブリーディングを始めてから9年が経過し、自家繁殖した3世代目の牝から3頭目のチャンピオン犬ができたとすると、もうこれは単なる運ではありません。あなたは自分自身で作り上げた牝を適切に交配し、これまでに少なくとも9人のチャンピオンシップショージャッジがそれを認め、9枚のCCカードにサインしたことになります”。

イギリスでは自家繁殖した自分自身のラインでチャンピオンを創り出すことに、‘犬種の番人’としてのブリーダーの使命があり、存在価値が認められます

またトップ・ブリーダーの条件として次のように述べています。“トップ・ブリーダーは長年にわたってトップの位置を維持し続けることができ、かつ、誰にでもわかる(認識できる)そのブリーダー独自のケンネルタイプを示すラインを持っています”。何年にもわたって良い犬(チャンピオン)を出し続けることができるのは、優秀なラインを持ち、かつ犬の長所・短所を見抜く“目”を持っていることが必要になります。MRWは、良い基礎犬(牝)を購入してブリーディングを始めたラッキー(‘lucky’)・ブリーダーに対しては、あまり勉強もせず、また苦労を経験しないうちにチャンピオンを出してしまうことの危険性を指摘していますし、逆に“「優秀な母」、「平凡な娘」、「どうしようもない子供」という3代のラブラドール”の例、すなわち、せっかく優れた牝を手に入れたのに、ブリーディングで世代を重ねる間に質がどんどん低下してしまう例が頻繁に認められることも述べています。どうすればトップ・ブリーダーになることができるかは簡単に説明できることではありませんが、 “真のトップ・ブリーダーとは生まれるものであって、作られるものではない(・・・I have a feeling that the true top breeders are born and not made.)”という言葉が示すように、生まれながらの素質(センス)が重要であり、 “イギリスでは10年間に二人の新しいトップ・ブリーダーが出ればラブラドール界にとって幸運である” と述べています。

最近活躍しているイギリスのラブラドール犬舎

さて、イギリスで最近活躍しているラブラドール犬舎について述べてみます。表1には1991年から1999年にイギリスチャンピオンを獲得したラブラドール犬すべてをアルファベット順に並べました(「LABRADORS 2000」からショーチャンピオンを抜粋)。この一覧を見ると、先に述べた9年間―3世代―3頭のチャンピオンという条件を満足する犬舎はそうたくさんはありません。表2には2000年度のCC獲得犬を載せています(dog World 2001年2月2日号から引用)。2000年度に新たにチャンピオンになった犬を加え、この10年間のチャンピオン作出頭数を調べてみると次のようになります。Cambremer(カンブレマー)犬舎8頭 Warringah(ワリンガー)犬舎7頭、Rocheby(ロチェビー)犬舎6頭、Sandylands(サンディーランズ)犬舎6頭、Newinn(ニューイン)犬舎5頭 Poolstead(プールステッド)犬舎5頭 Foulby(ファルビー)犬舎4頭、Lejie(レジー)犬舎3頭です(他犬舎との共同作出犬は除いた数ですので、犬舎によってはもう少し増える場合があります)。その他の犬舎はここ10年間で2頭以下ということになります。

イギリスのほとんどのブリーダーは犬で生計を立てているわけではありませんし、年間の繁殖数も多くありません(通常年1〜2回)。既にトップ・ブリーダーとしてのピークを過ぎた有名犬舎もありますから、この10年間の結果だけでイギリスラブラドール犬舎を語ることはもちろんできません。また、イギリスの犬舎の中には作出したチャンピオン頭数は少ないけれども、例えばCh Kupros Master Mariner(クプロス・マスター・マリナー)やCh Reciever of Cranspire (レシーバー・オブ・クランスパイアー)などイギリスやアメリカのラブラドールに多大な影響を与えた、いわゆる名犬を作出した犬舎もいくつかあります。事情はわかりませんが、クプロス犬舎やクランスパイアー犬舎からはその後チャンピオンは出ていません。いずれにしろ、この10年間を見ても3頭以上のチャンピオンを出した犬舎は10にも満たないことになります。これらの観点から考えると、カンブレマー、ワリンガー、ロチェビー、ニューイン、サンディーランズ、プールステッドなどは現在最も活躍しているトップ・ブリーダー犬舎ということになります。

カンブレマー犬舎は昨年(2000年)だけでも2頭のチャンピオン(ShCh Cambremer Call My Bluff ShCh Cambremer Jessica)(表2)を出しており、現在最も勢いのある犬舎と言えるでしょう。犬舎の設立は1965年で、最初のチャンピオンはShCh Cambremer St.Clarir(カンブレマー・セント・クレアー)ですが、犬舎主のブラバン(Brabban)夫妻が述べているように、セント・クレアーとCh Fabracken Comedy Star (ファブラッケン・コメディー・スター)の間に生まれたCambremer Montclair(カンブレマー・モントクレアー、1981年生まれ、2CC、3リザーブCC)がカンブレマー犬舎の今日の基礎となっています。モントクレアーからはShCh Cambremer Madonna(マドンナ、1989年クラフト展BOB)、ShCh Cambremer Jazz Singer(ジャズ・シンガー)、ShCh Cambremer All That Jazz(オール・ザット・ジャズ)が生まれ、さらにマドンナからはShCh Cambremer Be Generous(ビー・ジェネラス、1995年クラフト展BOB)、またオール・ザット・ジャズからはShCh Cambremer Evita(エビータ)、ShCh Cambremer in the Mood(イン・ザ・ムード)、ShCh Cambremer Tom Cobbley of Charway(トム・コブレイ・オブ・チャーウェイ)、ShCh Cambremer Tom Sawyer(トム・ソーヤ) (表1)が生まれています。 オール・ザット・ジャズの娘Cambremer Jazzmine(ジャズマイン)からは、先に述べたShCh Cambremer Call My Bluff (コール・マイ・ブラフ、2000年クラフト展リザーブCC)(写真1)ShCh Cambremer Jessica(ジェシカ)(表2)が生まれています。セント・クレアーから数えると5世代にわたってイギリスチャンピオンを出し続けているトップ・ブリーダーです。

ワリンガー犬舎のキャロル・クード(Carole Coode)さんは「Labrador Retriever Today」の著者として有名です。犬舎の設立は1974年でカンブレマーや後述するロチェビーと比較すると新しい犬舎ということになりますが、既に15頭のイギリスチャンピオンを出しています。ワリンガー犬舎の基礎犬は2頭の牝、Lawnwoods Hot Pants of Warringah(ローンウッズ・ホット・パンツ・オブ・ワリンガー)とBrentville Marcella of Lawnwood(ブレントビル・マルセラ・オブ・ローンウッズ)ですが、ホット・パンツからはすぐに2頭のチャンピオン[Ch Warringah’s Hot Favourite(ホット・フェイバリット)と Ch Warringah’s Hot Property(ホット・プロパティー)]が生まれ、その後Ch Warringah’s Fore Square(フォア・スクエア―)とCh Warringah’s Harlech(ハーレック、1986年クラフト展BOB)に続きます。マルセラからは孫娘Ch Warringah’s Fair and Square(フェアー・アンド・スクエアー)、さらにその娘Ch Warringah’s Fair Dinkum(フェア・ディンカム)へと続きます。フェア・ディンカム は優れた(子出しの良い)牝で、3回の繁殖で8頭のチャンピオン(3頭のイギリスチャンピオンを含む)を産んでいます。その中のCh Warringah’s Flinders(フリンダーズ)からは Ch Warringah’s Burra(ブラ)が、さらにその子供にCh Warringah’s Coolibah(クーリバー)とCh Warringah’s Bungle Bungle(バングル・バングル)がいます(写真2)。5世代、6世代にわたってコンスタントにチャンピオンを出し続けています。この犬舎の成功は、クードさん自身が著書の中で書いていますが、最初に自分たちの理想とするタイプの、しかも血統的に優れたラブラドールを買い求め、それを基礎にブリーディングを始めたことによります。“ブリーディングにとって牝犬(その犬自身の質と血統)が非常に重要である”とはよく言われることですが、良い基礎犬(牝)からスタートした場合と、そうでない場合には出発時点で既に10年や20年の差が存在することになります。言い換えると、基礎犬として良い牝が手に入ればブリーディングの目標の半分は終わっていることになります。

さて続いてロチェビーですが、この犬舎も10年間に6頭のチャンピオンを出しているトップ・ブリーダーです。特にShCh Rocheby Polkadot(ポルカドット)は1996年,1997年,1998年のクラフト展で3年連続BOBという輝かしい記録を打ちたてました。しかしながら、現在の地位を確立するまでにはかなり長い間苦労した時期があったようです。犬舎の設立は1966年で、最初のチャンピオンShCh Rocheby Acorn (アコーン)が生まれたのは1985年ですから、ブリーディングを始めてから初のチャンピオンが出るまでに20年以上費やしていることになります。アコーンは、ロチェビー犬舎にとってもラブラドール界にとっても非常に重要な牝となりました。1990年代にロチェビー犬舎から誕生したShCh Rocheby Royal Oak(ローヤル・オーク)、ShCh Rocheby Popcorn (ポップコーン、1992年クラフト展BOB)、ShCh Rocheby Whisky Mac(ウイスキー・マック)(写真3)、ポルカドットはすべてアコーンとPoolstead Pretentious at Rocheby(プールステッド・プレテンシャス・アット・ロチェビー)の間に生まれた子供です(同じ組み合わせで3回繁殖しています)。ローヤル・オークやウイスキー・マックは多くのチャンピオンの父犬となっています(例えば、1999年クラフト展BOBのShCh Carromer’s Carmen Mirandaはローヤル・オークの娘です) 。ポルカドットの娘ShCh Rocheby Pure Linenは昨年8日間でチャンピオンを完成しました(表2)。3年前筆者らがロチェビー犬舎を訪問したときに犬舎主のホプキンソン(M.Hopkinson)さんから言われた言葉「あなたたちはイギリスから良い犬を買って行ってすぐにチャンピオンを作りたいのでしょう。私たちは20年も30年もブリーディングをしてチャンピオンを作ってきたのですよ」、また「自分自身(自分の犬舎)でブリーディングして、チャンピオン犬を作り出すことに意味があります」が心に残っています。

サンディーランズやプールステッドはトップ・ブリーダーとして近年のイギリスラブラドール界をリードしてきた歴史のある犬舎です。ここでは解説をいたしませんが、プールステッドのヘップワース(D.Hepworth)夫人はまだ現役で活躍され、2000年度クラフト展ではShCh Poolstead Pineapple(パイナップル)が牡CCを、そして今年度(2001年)のクラフト展ではPoolstead Porridge Oats(ポーリッジ・オーツ)がBOBを獲得しました。

成功の鍵であるラインブリーディン

最後に、 “トップ・ブリーダーは長年にわたってトップの位置を維持し続けることができ、かつ、誰にでもわかるそのブリーダー独自のケンネルタイプを示すラインを持っています”ということに関して考えてみます。ブリーディングが計算どおりに行くものでないことは皆さんよく知っていることと思います。トップ・ブリーダーとは、スタンダードの勉強(理解)はもちろん、犬の長所・短所を見抜く‘目’、さらに生まれながらの素質を持っている人なのでしょう。生まれながらのセンスについては解説することはできませんが、ここでは、成功しているブリーダーが用いる技術(手法)について取り上げてみます。それは、ラインブリーディングです。

ブリーディングの手法を血統の観点から分けると、アウトクロス、ラインブリード、インブリードの3つがあります。アウトクロスは血統的に関連のない犬の間(少なくとも血統書には同じ犬は出てこない)の交配によるものです。インブリードは、いわゆる近親交配と言われるもので、親子間や兄弟間での交配を指しますが、危険性が高いため通常は行いません。これに対してラインブリードは祖母や祖父と孫、叔母と甥、叔父と姪の間や従兄弟同士の交配と考えてください。ラインブリードとは、血統上3世代あるいは4世代前に、目標とする優秀な牡あるいは牝(しばしば2頭の場合もある)が来るようにラインを集める方法です(図1)。カンブレマー、ワリンガー、サンディーランズ、プールステッドはもちろん、イギリスで成功している犬舎のほとんどは、程度に差はありますが、ラインブリーディングを行っています。MRWも、トップ・ブリーダーの条件である“チャンピオンを出し続けることができ、独自のケンネルタイプを持つ”ためにはラインブリーディングが最善の方法であると述べています。アウトクロスは、ある時期必ず必要となる方法ですが、一度ラインが確立した後には、そのラインを壊してしまうことになりますので、トップ・ブリーダーは好みません。

図1にShCh Foulby Moutain King(ファルビー・マウンテン・キング、1999年クラフト展牡CC)の血統を示しました。ファルビーは比較的新しい犬舎で、基礎犬はCh Follytower Black Cypress(ホリータワー・ブラック・サイプレス)です。最近、ShCh Cuanbank Island Mist at Foulby(クアバンク・アイランド・ミスト・アット・ファルビー)、ShCh Cuanbank Maggie May at Foulby(クアバンク・マギー・メイ・アット・ファルビー)、ShCh Foulby Nut Cracker(ナット・クラッカー、1999年クラフト展牡リザーブCC)、マウンテン・キング、ShCh Foulby Agatha Christie(アガサ・クリスティー)、ShCh Foulby I Spy(アイ・スパイ)と続々チャンピオン犬を輩出しています。マウンテン・キングの血統(図1)を見ると、父親のナット・クラッカー自体がCh Lindall Mastercraft (リンダール・マスタークラフト)のラインブリードの結果できた犬ということがわかります。父親であるCh Charway Ballywillwill(チャーウェイ・バリーウイルウイル) ― マスタークラフト ― 子供のCh Kupros Master Mariner(クプロス・マスター・マリナー)の3代に渡る血統はイギリスで非常によく使われている代表的なラインです。一方、母親であるマギー・メイも、母方にマスタークラフトが、父方にLindall Masterclass(マスタークラス)(マスタークラフト の兄弟)がいます。このようにマウンテン・キングは、さらにリンダール・マスタークラフトの血統で固めた犬と言えます。 ファルビーの最近のチャンピオンであるアガサ・クリスティーとアイ・スパイ(表2)はナット・クラッカーとアイランド・ミスト(マギー・メイの同胎犬)の子供ですから、血統はマウンテン・キングと同一です。

誤解されないように付け加えておきますが、ブリーディングは机上で血統書と鉛筆だけでできるものではありません。いくら優秀な血統を持つ犬同士を交配しても、かならずしも良い結果は得られません。これがブリーディングは‘芸術’であると言われる理由です。成功するためには、血統の理解はもちろんですが、犬の理解(犬を見る‘目’)、さらにある種のセンスが必要になるのでしょう。ここでラインブリーディングを取り上げたのは、これが最も成功している‘技術’だからです。

ラブラドールに関して日本チャンピオンの称号は、残念ながら、世界では認知されていません(ラブラドールに関する海外の雑誌・書物には取り上げられないという意味でです)。最近、イギリスやアメリカから優秀な血統の犬が多数輸入されてきています。今後、それぞれ独自のケンネルタイプを示す優れたラブラドールを目標に、血統を考慮しながら、イギリスチャンピオンに引けを取らない日本のラブラドールを作出していきたいものです。ブリーディングを含めた審査会の分野、すなわちスタンダードに基づいた犬種の維持・発展を担う分野は、いわば基礎分野ということになります。これに対して、それぞれの犬種の能力を引き出し、それを活用する訓練は応用分野と言えます。科学の世界と同様に、基礎分野があって初めて応用の領域が成り立ちます。どちらが欠けても犬文化の発展は望めません。会員の皆様の努力により日本のラブラドールが今後一層発展することを期待いたします。

*著者の没後絶版となっていたが、一昨年「Reaching for The Stars」(Doral Publishing, 172p, 1999)というタイトルで再版された。


表1.19911999年にイギリスチャンピオンを獲得したラブラドール・レトリバー

Sh Ch Alocin Full of Praise(アロシン・フル・オブ・プレイズ)
Sh Ch Antonine Apollo(アントナイン・アポロ)
Ch Balehill Bracken at Brigburn(ベールヒル・ブラッケン・アット・ブリグバーン)
Sh Ch Ballyduff Dawn of Bannowbridge(バリダフ・ダウン・オブ・バノウブリッジ)
Sh Ch Ballyduff Mallie(バリダフ・マリー)
Sh Ch Balrion Black and Tan(バルリオン・ブラック・アンド・タン)
Sh Ch Barleybay Butterbean at Jillywin(バーレイベイ・バタービーン・アット・ジリーウイン)
Sh Ch Beltarn Princess Melinka at Simandem(ベルターン・プリンセス・メリンカ・アット・シマンデム)
Sh Ch Birchbrook Victoria Plum(バーチブルック・ビクトリア・プラム)
Ch Bowstones Carruthers(ボウストンズ・カルーサーズ)
Sh Ch Bowstones Susanna(ボウストンズ・スザンナ)
Sh Ch Bradking Hugo(ブラッドキング・ヒューゴー)
Ch Brigburn Zenny(ブリグバーン・ゼニー)
Sh Ch Brynseion Berti(ブリンセイオン・バーティ)
Sh Ch Cambremer Be Generous (カンブレマー・ビー・ジェネラス)
Sh Ch Cambremer Evita(カンブレマー・エビータ)
Sh Ch Cambremer in the Mood(カンブレマー・イン・ザ・ムード)
Sh Ch Cambremer Sharpshooter(カンブレマー・シャープシューター)
Ch Cambremer Tom Cobbley of Charway(カンブレマー・トム・コブレイ・オブ・チャーウェイ)
Sh Ch Cambremer Tom Sawyer(カンブレマー・トム・ソーヤー)
Ch Carpenny Walpole(カーペニー・ウォールポール)
Sh Ch Carromer Sea Pearl(カローマー・シー・パール)
Sh Ch Carromer’s Carmen Miranda(カローマーズ・カーメン・ミランダ)
Ch Charway Ballylinnet(チャーウェイ・バリーリンネット)
Ch Code of Conduct of Lawnwoods(コード・オブ・コンダクト・オブ・ローンウッズ)
Ch Cornlands Wellington JW(コーンランズ・ウエリントンJW
Sh Ch Covetwood Elouise of Carpenny(コベットウッド・エルイーズ・オブ・カーペニー)
Sh Ch Cremino Corniche JW(クレミノ・コーニッチJW
Sh Ch Cricklecreek Camomile of Wynfaul(クリックルクリーク・カモミール・オブ・ウインファウル)
Sh Ch Cuanbank Island Mist at Foulby(クアンバンク・アイランド・ミスト・アト・ファルビー)
Sh Ch Cuanbank Maggie May at Foulby(クアンバンク・マギー・メイ・アト・ファルビー)
Sh Ch Darrygine Fancy Dancer(ダリージン・ファンシー・ダンサー)
Sh Ch Davricard Bobby Shafto(ダブリカード・ボビー・シャフト)
Sh Ch Donalbain Osric(ドナルベイン・オスリック)
Ch Fabracken Meadow Mint(ファブラッケン・メードウ・ミント)
Sh Ch Follytower Leonora(フォリータワー・レオノラ)
Sh Ch Follytower Pandora at Rocheby(フォリータワー・パンドラ・アット・ロチェビー)
Sh Ch Foulby Mountain King(ファルビー・マウンテン・キング)
Sh Ch Foulby Nut Cracker(ファルビー・ナット・クラッカー)
Sh Ch Foxrush Peach Blossom(フォックスラッシュ・ピーチ・ブロッサム)
Sh Ch Foxrush Prime Suspect(フォックスラッシュ・プライム・サスペクト)
Sh Ch Fullwell Free Booter at Halshimoor(フルエル・フリー・ブーター・アット・ハルシモーア)
Sh Ch Greenworth Dawn Run(グリーンワース・ダウン・ラン)
Sh Ch Heatherbourne Swan Lake of Priorise(ヒーサーボーン・スワン・レーク・オブ・プライオリス)
Sh Ch Keydella Klassique(ケイデラ・クラッシック)
Sh Ch Kimvalley Legend(キンバレー・レジェンド)
Ch Lawnwoods Free’n Easy(ローンウッズ・フリーン・イージィー)
Sh Ch Lejie Annalise(レジー・アナライズ)
Sh Ch Lejie My Fair Lady(レジー・マイ・フェアー・レディー)
Sh Ch Lenches Miss Molly(レンチェス・ミス・モリー)
Sh Ch Lindall the Right Stuff(リンダール・ザ・ライト・スタッフ)
Sh Ch Lougin Lamara(ロウジン・ラマラ)
Ch Mandamay Bric-a-Brac(マンダメイ・ブリック--ブラック)
Ch Mardas Mona Liza(マーダス・モナ・リザ)
Sh Ch Mardas Side Saddle(マーダス・サイド・サドル)
Ch Marfell Seafarer(マーフェル・シーファラー)
Sh Ch Merrymills Thistle(メリーミルズ・シッスル)
Sh Ch Midnight Mystery(ミッドナイト・ミステリー)
Sh Ch Newinn Clint Black(ニューイン・クリント・ブラック)
Sh Ch Newinn Dwight Yoakam(ニューイン・ドゥワイト・ヨーカム)
Sh Ch Newinn Greenfinch(ニューイン・グリーンフィンチ)
Sh Ch Newinn Tish Hinojosa(ニューイン・ティッシュ・ヒノホーサ)
Sh Ch Newinn Winter Fantasy JW(ニューイン・ウインター・ファンタジーJW
Sh Ch Novacroft Groom(ノバクラフト・グルーム)
Sh Ch Oakhouse Mocha(オークハウス・モカ)
Sh Ch Othamcourt Ame of Colinwood(オサムコート・アミー・オブ・コリンウッド)
Ch & USA Ch Perfick Gent of Priorise(パーフィック・ジェント・オブ・プライオリス)
Sh Ch Poolstead Pineapple(プールステッド・パイナップル)
Sh Ch Poolstead Pipe Smoker(プールステッド・パイプ・スモーカー)
Sh Ch Poolstead Poetical Dream of Halshimoor(プールステッド・ポエティカル・ドリーム・オブ・ハルシモーア)
Sh Ch Poolstead Publican(プールステッド・パブリカン)
Sh Ch Poolstead Pumpkin(プールステッド・パンプキン)
Ch Priorise So Vain(プライオリス・ソー・バイン)
Sh Ch Ramsayville Raindance(ラムセイビル・レインダンス)
Sh Ch Rocheby Polkadot(ロチェビー・ポルカドット)
Sh Ch Rocheby Popcorn (ロチェビー・ポップコーン)
Sh Ch Rocheby Royal Oak(ロチェビー・ローヤル・オーク)
Sh Ch Rocheby Sugard Almond of Lindall (ロチェビー・シュガード・アーモンド・オブ・リンダール)
Sh Ch Rocheby Whisky Mac(ロチェビー・ウイスキー・マック)
Sh Ch Sandylands Bliss(サンディーランズ・ブリス)
Sh Ch Sandylands Gad-About (サンディーランズ・ガッド-アバウト)
Sh Ch Sandylands Gentry(サンディーランズ・ジェントリー)
Sh Ch Sandylands Gracia(サンディーランズ・グラシア)
Ch Sandylands My Guy(サンディーランズ・マイ・ガイ)
Sh Ch Sansmal Seafarer(サンスマル・シーファラー)
Sh Ch Sharouns Trademark(シャロンズ・トレードマーク)
Sh Ch Stajantors Dozer(スタジャンターズ・ドザー)
Sh Ch Stebel Hollyberry(ステーベル・ホリーベリー)
Sh Ch Suley Super Sam(シュリー・スーパー・サム)
Sh Ch Trenow Cider With Rosie(トレノー・サイダー・ウイズ・ロジー)
Sh Ch Trewinnard Bucks Fizz(トレウイナード・ブックス・フィズ)
Ch Warringah Gunpowder at Duxfordham(ワリンガー・ガンパウダー・アット・ドゥックスホードハム)
Ch Warringah’s Adelaide(ワリンガー・アデレード)
Ch Warringah’s Bungle Bungle(ワリンガー・バングル・バングル)
Ch Warringah’s Burra(ワリンガー・ブラ)
Ch Warringah’s Coolibah(ワリンガー・クーリバー)
Ch Warringah’s Wallaroo(ワリンガー・ワラロー)
Ch Warringah’s Whortleberry(ワリンガー・ウォートルベリー)       

          表2. 2000年度にCCを獲得したラブラドール・レトリバー       
                              犬名   CC獲得数      
Sh Ch Marmaduke Maximus at Cornlands (D)(マーマデューク・マキシマス・アット・コーンランズ)
Ch Carpenny Walpole (D)(カーペニー・ウォールポール)
Sh Ch Fullwell Free Booter at Halshimoor (D)(フルウェル・フリー・ブーター・アット・ハルシモーア)
Sh Ch Rocheby Pure Linen (B)(ロチェビー・ピュア・リネン)
Sh Ch Fullwell Frolic with Halshimoor(D)(フルウェル・フロリック・ウイズ・ハルシモーア)
Sh Ch Antonine Four Trak Four (D)(アントナイン・フォー・トラック・フォー)
Sh Ch Tapeatom Ginantonic at Sandylands (B)(タピートン・ジナントニック・アット・サンディーランズ)
Sh Ch Trentwith Sir Winston (D)(トレンウイズ・サー・ウインストン)
Sh Ch Cambremer Call My Bluff (B)(カンブレマー・コール・マイ・ブラフ)
Sh Ch Foulby Agatha Christie (B)(ファルビー・アガサ・クリスティー)
Sh Ch Lejie Cherry Blossom (B)(レジー・チェリー・ブロッサム)
Sh Ch Sandylands Lovebug (B)(サンディーランズ・ラブバック)
Sh Ch Foulby I Spy (B)(ファルビー・アイ・スパイ)
Sh Ch Cambremer Jessica (B)(カンブレマー・ジェシカ)
Foulby On The Horizon (B)(ファルビー・オン・ザ・ホライズン)
Ramsayville Rainbows End (D)(ラムセイビル・レインボー・エンド)
Sh Ch Cremino Corniche (B)(クレミノ・コーニッチェ)
Sh Ch Dakross Daniel Widdon (D)(ダクロス・ダニエル・ウイドン)
Sh Ch Newinn Winter Fantasy (D)(ニューイン・ウインター・ファンタジー)
Sh Ch Suley’s Sensational Sadie (B)(シューリーズ・センセーショナル・サディー)
Bowstones Martha Black (B)(ボウストンズ・マーサ・ブラック)
Ch Warringah’s Bungle Bungle (B)(ワリンガー・バングル・バングル)
Cornlands Perseus (D)(コーンランズ・ペルセウス)
Gallybob Adel (B)(ガリーボブ・エーベル)
Sh Ch Ludalor Latishia (B)(ルダラー・ラティシア)
Thurbajen’s Loving Touch (B) (サーバジャンズ・ラビング・タッチ)
Bowstones Bertie Wooster of Llanstinan (D)(ボウストンス・バーティー・ウースター・オブ・ランスティナン)
Castleduff Gorgous George (D)(キャスルダフ・ゴージャス・ジョージ)
Castleduff Quick Silver (D)(キャスルダフ・クイック・シルバー)
Sh Ch Frostfire Dawn Chorus at Abbeystead (B)(フロストファイアー・ダウン・コーラス・アット・アベイステッド)
Keene’s Pride And Prejudice (B)(キーンズ・プライド・アンド・プレジュディス)
Lembas Moonlight Serenade (B)(レンバス・ムーンライト・セレナーデ)
Mardas Berberis (D)(マーダス・バーベリス)
Naiken Kris (D)(ナイケン・クリス)
Poolstead Puffin (D)(プールステッド・パフィン)
Ramsayville Reba at Knoydar (B)(ラムセイビル・レバ・アット・ノイダ-)
Rocheby Powder Puff (B)(ロチェビー・パウダー・パフ)
Rumpole’s Gold of Poolebar (D)(ランポールズ・ゴールド・オブ・ポールバー)
Sh Ch Foulby Mountain King (D)(ファルビー・マウンテン・キング)
Sh Ch Poolstead Pineapple (B)(プールステッド・パイナップル)
Sh Ch Sharouns Trademark (D)(シャロンズ・トレードマーク)
Treburrow Thumbalina at Honburry (B)(トレビュロー・サンバリナ・アット・ホンバリー)

Back